ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

佐野要太
株式会社CLE総合研究所 代表取締役社長

佐野要太SANO YOUTA

2002年 日本大学生物資源学部卒業
2001年 中央工学校建築科
2001年(株)CLE総合研究所 入社
2008年(株)タマホーム/2013年(株)プロポライフ入社 部長就任
2017年(株)CLE総合研究所代表取締役就任

2020年11月20日(金)

株式会社CLE総合研究所 代表取締役社長佐野要太

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、株式会社CLE総合研究所 代表取締役社長 佐野要太さんです。

宮藤:CLE総合研究所は、どういうことをしている会社ですか。

佐野:地元の工務店ですね。設計事務所とあわせて「ハイブリット工務店」と言われていて、「安くていい家が作れるよ」というので、来年までお客さんが埋まっています。

宮藤:おお!低コストで、しかもデザインから実際の施工もしてくれる?

佐野:施工まで全部やります。土地探しも全部やるっていう。結構珍しい会社です。

宮藤:それで、しかも安い?

佐野:しかも安い!

宮藤:なんでそんなことができるんですか?

佐野:僕はもともとハウスメーカーに勤めてたことがあるんですが、今の会社は、父がゼネコンの下請けから始めたところなんです。技術力もデザイン性も全部、設計事務所をベースにしているので、いいものを造る技術があって、あとは少数精鋭の13人くらいの会社なので、本当に無駄を省いて仕事をしています。「効率的」というのがキーワードかなと思いますね。

宮藤:そうなんですね。事前のアンケートに書いていただいた「LINEや在宅の主婦の方の活用など」というのは、どういうことですか?

佐野: LINEは、大きい会社だと使っちゃいけないんですけど…、使うと楽じゃないですか。効率化する上でも。

宮藤:使っちゃいけないのは、セキュリティーの問題ですか。

佐野:そうなんですよね。でも、とても楽ですよね。“既読”になって、キャッチボールも楽で。

宮藤:そうですね。

佐野:あと、在宅ワーカーの主婦の人たちもいっぱいいて、もともと、自宅で事務作業をしてもらっていました。

宮藤:コロナになる前からリモートでやってたんですか?

佐野:はい。リモートで、Zoom使ってやってたんで。

宮藤:そういうところでも無駄を省いているということですね。

佐野:無駄はかなり省いているので、全国の工務店さんたちが結構学びに来てくれます。「どうやってやってるの?」「そんな少人数でそんな売上を?」と。

宮藤:社員の副業や、独立もOKなんですね?

佐野:全然OKですね。

宮藤:CLE総合研究所さんで勉強してから、他で…というのでもいいんですか?

佐野:はい。やっぱり、「副業やりたい」「フリーランスになりたい」という設計知識のある人とか、工務知識のある方が多いですからね。

宮藤:優秀な人はそうですよね。副業してどんどんスキルが上がっていった方がいいですもんね。

佐野:そうなんですよ。

宮藤:それでは、佐野さんが経営していく中で感じていることを教えていただけますでしょうか。

佐野:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、働く人っていうのはみんな個性が違うので、仕事に人をはめるんじゃなくて、その人に合う仕事のやり方を作ってあげることが大事なんです。

宮藤:そこにある仕事に人をはめるんじゃなくて、その人の個性が活かせるとか?

佐野:はい。だから、肩の力を抜いて仕事をしてもらいたいというのが、僕が一番求めているところですね。

宮藤:なんか、説明聞いてたら本当にいい会社ですね。

佐野:いい会社なんですよ!(笑)

宮藤:「こういう仕事をしてほしいんだ」「ここに仕事があって、新しく入ってきた人にこの仕事をやってもらう」じゃなくて、「あなたが一番できることをやってくれ」と。

佐野:そうです。

宮藤:でも、世の中のほとんどが、そうじゃないですよね。

佐野:そうですね。僕は以前、200億くらいの大きな会社の建設部長をやってたんです。その時はやっぱり「社員を使う」感覚で、「拡大」っていう感じだったんですが、もう、拡大するのは簡単にできるし、効率化も簡単にできるし、じゃあ何が楽しいか?と考えたら、「今いる人たちが生き生きしてくれる」のが楽しいと気付いて。ビジョンを変えたっていうのがここ3年ぐらいでありますね。

宮藤:やっぱり、大きいところを経験してるから、そう思うのかもしれないですよね。人を人としてちゃんと扱うっていうことが、結局、最終的には会社の経営にもいい方に働くわけですもんね。

宮藤:業界を取り巻く環境も、最近は変わってきているそうですね?

佐野:はい。ここ数年間で、お客さんが賢くなってるんです。Instagramとかを見て「こんな家を造りたい」と言えちゃうので。

宮藤:そっか。今までは、そういうのはなかったですもんね。

佐野:なかったですね。ハウスメーカーは今でも「このルールに従って家を造ります」というやり方で、自由にすると高くなっちゃうんです。逆に、安くて自由で、どんなキッチンがいいですか?っていうのが僕たちのスタンスですね。

宮藤:普通は規格から外れてオリジナルなものを造ろうとしたら、高くなりますよね。

佐野:高くなります。

宮藤:それをむしろ、安く抑えられる!?

佐野:そうです。安くて、ちょこっとエッセンスを自由自在にできるっていうのが選ばれる。「好きなものをやりましょう?」って。

宮藤:それはすごいですね。

宮藤:建設業界は特に、キツい仕事だというイメージがありますが、実際どうですか?

佐野:その通りなんです。「いやいや、そんなことないだろ」って思うじゃないですか。全然ですよ。職人さんは、キツい仕事なのに給料の保証がない。保険も自分で払う。これは大問題ですよ。30代以下の職人はいないですから。

宮藤:えー!

佐野:本当にいないです。誰もやらない。だから僕は、職人さんにはお金をいっぱい払う。職人さんを大切にする。地元の工務店がそういう心をもってやっていかないと、働く人がいなくなっちゃいますね、大工さんは。

宮藤:憧れる職業じゃないってことですかね。

佐野:そうなんですよ。本当はやりがいはあるんですけど、給料が安いですね。だから僕は、「そこは保証する」時代になってほしいと思うんです。大工さんが一番活躍する時代になってほしい。僕たちなんかは脇役ですよ。そういう時代にしたいなっていうのはありますよね。

宮藤:改善するにはやっぱり、お金を払うってこと?

佐野:お金!そう。やっぱり「CLEさんで大工やれば、給料高いよ!」っていう地元の工務店になりたいですね。世界で、日本で…とか大きなことを言っててもしょうがないので、「大丈夫、ウチで一緒に家造ろう?」って言ってあげられるような会社になりたいので、効率化していますよね。

宮藤:それで、大工さん・職人さんになったらお金儲けられる! しかもかっこいい! っていう風になればね。

佐野:あとは、「CLEさんと一緒にやっていれば、継続して仕事がもらえる」という。大工さんはやっぱり、継続性が一番欲しいんですよ。1年間に3棟まわさないと給料がもらえないので。1棟切れたら、年収がいきなり3分の2になっちゃうんです。そこを保証してあげるのが地元の工務店であるべきで、地元の工務店はそのために頑張らなきゃいけないんですね。ここが僕の理論ですね。

宮藤:ぜひ、業界全体で変えていきたいところですね。

アーカイブ