ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

舩倉亮
株式会社グリーンエフェクト CEO / 音響空間プロデューサー / コンテンツプロデューサー

舩倉亮FUNAKURA RYO

mixape Keyboardとして曲作り、ライブを精力的に行う
2002年〜2004年 ライブ、TVなど多数メディアにレギュラー出演を果たす
バンド解散後、グラフィックデザイナーとして2年働いた後、現在の建築音響の世界に入り、大手建築音響会社の下請けとして現場管理を担当し、建築音響の経験を積む
2011年1月に独立し、前身のgreen effect(グリーンエフェクト)を立ち上げる
2012年12月この年50件を超える防音室を納め法人化 株式会社グリーンエフェクト設立

2020年12月4日(金)

ゲスト舩倉亮

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、株式会社グリーンエフェクト、舩倉亮さんです。

宮藤:株式会社グリーンエフェクトは、どういった会社なんでしょうか?

舩倉:音響設計施工というものがありまして、レコーディングスタジオだったり、リハーサルスタジオだったり、あとはプロユース以外でいうと住宅の防音室だったり。そういった“音”にまつわる音響空間プロデュースをしています。

宮藤:防音の部屋とかの内装ですか?

舩倉:そうですね。なので、こういった(ラジオ収録のような)スタジオも作っているっていう。

宮藤:その他、オリジナルの防音のドアなど、各種音響資材開発もやられているそうですね。オリジナル防音ドアって、どこがオリジナルなんですか?

舩倉:ええと…そこはあんまり言えないという…(笑)

宮藤:(笑)あまり言えない。

舩倉:企業秘密の部分もあるんですけど、こういうスタジオとかってスチールで出来ていると思うんですけど、価格帯を下げてスチール(鉄)じゃないもので設計したものがあるんです。

宮藤:それでも音が漏れないんですね。

舩倉:スチールの性能が一番高いものよりはちょっと落ちるんですけど、設計次第で十分問題なく音が出せるようになります。木製の防音ドアではかなり性能が高いと思います。あと、スタジオとかって宮藤さんもよくいらっしゃると思うんですけど、こういう壁が吸音材になってるんです。昔から日本のスタジオってイメージが変わらないんですけど、それを新しくヨーロッパデザインのものを開発してほしいという依頼があって、今開発中ですね。

宮藤:この他にも、アーティストマネジメント、コンテンツ制作、イベント制作など、“音”にまつわる様々な業務を手がけていると。アーティストマネジメントということは、事務所に所属しているアーティストがいるということですか?

舩倉:います。

宮藤:舩倉さんご自身も、昔は音楽活動をされてたんですね?バンドですか?

舩倉:バンドですね。

宮藤:じゃあ、もともと演者なんだ。

舩倉:そうですね。

宮藤:それがなぜ、こういう会社をやろうと思ったんですか?

舩倉:バンドを解散することになって、フライヤーとかのデザインをやっていたので一回グラフィックデザイナーに転職をしたんですが、デザイン業務ってクライアントがいてその先にお客さんがいるんですけど、クライアントさんの顔は見えても、その先のお客さんの顔が見れないんです。どうしてもライブの時の、お客さんの直の反応が見れる高揚感が忘れられなくて。

宮藤:ダイレクトにね。

舩倉:音楽業界に一回戻ろうと思ったんですけど、その時にその“空間を作る”方にシフトして。今やっているところもクライアントさん=お客さんなので、直の反応が見れるというのがあって今の業界にいます。また、演者側の気持ちが分かる分、クライアントさんのお気持ちに寄り添った設計施工が出来るとも思っています。

宮藤:コロナ禍で、自宅で楽器を始める人が増えたというニュースがありましたが、そういう防音の部屋とかの需要も増えましたか?

舩倉:増えましたね。今までB to Bで会社・企業が相手でプロデュースのスタジオを作ることが多かったんですけど、コロナになってからは自宅の個人のお客さんが結構増えていて。特に配信ですね。配信を個人でやられている方って今いっぱいいると思うんですけど。

宮藤:動画配信とか?

舩倉:そうですね。「自宅で配信するのに、近隣の方からのクレームがあって…」とか、そういった相談を受けて作ったりしますね。

宮藤:普通の部屋を防音の部屋に変えたり?

舩倉:そうですね。あとは、収録する時に吸音して音場をコントロールしてあげるという。

宮藤:では、そんな舩倉さんが会社を経営されている上で苦労していることを教えていただけますでしょうか。

舩倉:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、やっぱり生涯クリエイターでいたいんです。

宮藤:ご自身がプロデューサーでもあり、アーティストでもあるんですもんね。具体的には、今、何か企画されていることはありますか?

舩倉:今はコロナで自粛という情勢で、コロナ禍でも安心安全に楽しめるエンタメ事業を考えています。

宮藤:と言いますと?

舩倉:もともとは、うちのクライアントさんである、アニメの声優業界だったり、ゲーム業界だったり、音楽業界もそうなんですが、そういった方々にお声がけして、業界の垣根を取って。本当に各業界でトップランナーとして活躍されている方たちなんですが、その業界の融合ですね。各業界を融合して、様々なコンテンツを創れたらなと思っています。

宮藤:なるほど。

舩倉:今まではスタジオとかのハードを作っていたんですけど、作った後のソフトも一緒に。ソフトもハードも創れるっていうのを組織化しようとしています。

宮藤:同じようにスタジオを使っていたアーティストとか、声優さんとか、アニメのクリエイターとかが、今度はみんな一緒にひとつの作品、ひとつのソフトを創ろうと。

舩倉:そうですね。

宮藤:面白いですね。

舩倉:おそらく今までにないことなので、かなり面白いものが出来ると思います。

宮藤:今は、その打合せとかしているんですか?

舩倉:そうですね。今はミーティングを重ねている状況ですね。

宮藤:なるほど。楽しみですね。新しい組織では、お芝居のコンテンツも入れていきたいそうですけど、これはどういったことですか?

舩倉:まず、配信という選択肢はひとつあると思うんですけど、僕が重要視しているのは配信先ですね。配信先をちょっと限定して、立体音響というか、サラウンドシステムを入れて。要は芝居でも、ただスピーカーから出てくる音ではなくて、動いたら一緒に音も動いていくような臨場感のある空間で聴いていただく観ていただくというコンテンツだったり。あとは、小劇場でもそうですが、本当に音響にこだわって、立体音響で何十発もスピーカーを入れて、すごい臨場感あふれる音響にしたら、五感を刺激するというか。今まで観ていた芝居とはちょっと違う形で「没入できるもの」が出来るんじゃないかと考えています。

宮藤:すごいですね。なかなかそんな劇場ないですもんね。じゃあ「劇場を作る」っていうことだ。そういう意味では。

舩倉:劇場も将来的には作りたいですね。それが劇場じゃなければ、スタジオでそれを配信して、配信した先の空間をコントロールする。自宅のテレビのスピーカーから聴こえてくるような音ではなくて、その空間にいるような。そういったものを表現できたらいいなと思っています。

宮藤:今はエンタメも変わりつつありますからね、今回のコロナで。なので色々と考え方を変えていかなきゃいけないですもんね。

舩倉:そうですね。そういうタイミングにきていると思います。同時に5Gになったり、デジタルの進化も伴っているので。ライブは当然無くならないと思うんですが、それと同時に配信や、ちょっと違ったコンテンツ、エンタメが、これからどんどん増えていくのかなと思います。

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