ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

古山保幸
G-JOYFUL LIMITED CEO

古山保幸FURUYAMA YASUYUKI

関西大学出身。
2001年 ワタミフードサービス株式会社入社、日本で7年勤務後、2007年から香港で海外勤務を経験。
2011年 和民(中国)有限公司 代表取締役就任。
2015年 独立し香港法人G-JOYFUL LIMITEDを設立。
2019年1月 日本法人千代不動産株式会社設立、
2019年11月 シンガポール法人G-BROS PTE. LTD設立、シンガポールでの飲食事業展開開始。
2019年12月 Unique Dessert Labo『Mel Pot』出店
2020年3月 日本法人株式会社G-BROS設立 7月にUnique Dessert Labo『Mel Pot』出店
2020年6月 香港法人G-BROS HK LIMITED設立 8月にUnique Dessert Labo『Mel Pot』出店

2021年4月16日(金)

ゲスト古山保幸

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、G-JOYFUL LIMITED CEO 古山保幸さんです。

宮藤:古山さんは、2001年に新卒でワタミフードサービスに入り、香港勤務を経験されたと。ずっと香港なんですか?

古山:2007年から香港に行って、今に至りますね。

宮藤:「今に至る」ということは、香港にいらっしゃるんですか?

古山:今日はたまたま帰ってきていたタイミングですね。

宮藤:2011年から中国のワタミの代表取締役に就任。そして2015年に独立して「G-JOYFUL LIMITED」を設立されたということですが、どういったお仕事なんでしょうか?

古山:主にコンサル業務です。海外に進出される方の全体的なサポート。会社のセットアップからビザとかもやっています。あとは、投資関係とか。

宮藤:ワタミだったからって、飲食に限らずなんですね。

古山:そうなんですよ。資金的に無理なく始められるビジネスということを考えた時に、コンサルとか、香港の保険を売ったりとか、金融系のビジネスをしています。

宮藤:それは、香港が好きになったということですか?

古山:そうですね。はじめに任命されたのは工場勤務だったんです。その時は3日ぐらいでホームシックになって帰りたくなって。1年半後に一回「もう帰ります」って言ったんですけど、「代わりがいないからダメ」と言われてしまい。
それでも3年過ぎたくらいからちょっとずつ好きになって、それで「香港に残ろう」と決めました。

宮藤:そうなんですか。じゃ、僕がもし「香港でお店出したい」と思った場合、相談したらやっていただけるんですか?

古山:はい。コンサルもやっていますし、うちも実際に店を出しています。

宮藤:店はどういう?

古山:飲食のデザート関係で、最近2店舗目を開けました。

宮藤:香港の中心街ってすごい人ですよね。

古山:そうですね。今はコロナの影響であんまりいないですけど。普段は歩くのもちょっと大変なくらいです。

宮藤:で、日本語で「ニセモノ時計!」って声かけてくるでしょ?

古山:あれはだいたいネパール人かな。香港の人じゃないです。

宮藤:ネパール人なんですか!

古山:彼らは言語がどんどん進歩していて、昔は「シャチョサーン!ニセモノ時計!」って日本語だったんですけど、中国語も話すし、韓国語も覚えてきて。日本語で無視したら韓国語で話しかけられますよ。

宮藤:いろんな国のニセモノ時計が(笑)僕が一番印象に残っているのがそれでした。海外で起業したいと思っても怖いし、不安だし、でもなんか興味はある…って時に、相談に乗ってくださるんですか?

古山:そうですね。そういう方がほとんどですよ。

宮藤:日本から海外へっていう方は結構いるんですか?

古山:いらっしゃいますね。ビジネスされている方ってだいたい税金の問題とか、いろいろ考える方が多いんですけど、圧倒的に法人税とかが安いんですよね。日本の半分ぐらいなので。

宮藤:香港ですか?ええ!

古山:なので、そっちのほうに売り上げを残したほうがいいということで作る方もおられます。

宮藤:「家賃が高い」って聞いたんですけど。

古山:家賃はたぶん、世界でもトップクラスじゃないですかね。東京の比にならないぐらい高いと思いますよ。

宮藤:そうなんだ。ということは、お店始めようと思ったら、まず家賃払わなきゃいけないってことだ。

古山:そうです。私はもともと飲食出身なんですけど、飲食に興味はなくて。しかも資金もかかるから、コンサルビジネスを続けていたんですけど、コロナの時期に家賃が下がったんですよ。

宮藤:ここ1年ぐらい?

古山:そうなんです。出ていく人もいて、いい立地の「あそこが空いた」というのがありまして。それで従業員と「これ今、安くない?」「出そうか」と。そこから「どんな業態」「何を出すか」を決めました。家賃が一番ネックなので、その点では、コロナをプラスにできたという感じですね。

宮藤:それでは、古山さんがお仕事をしていて感じる、「ここを変えたい」ということを教えていただけますでしょうか。

古山:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、日本の鎖国的な風習を変えたいと思っています。外国人を見てビビる感じを無くしていきたい。

宮藤:典型的な話ですね、さっきの「ニセモノ時計」でビビってますからね。

古山:あれは危ないのでビビったほうがいいんですけど(笑)

宮藤:ああ、やっぱり…。まず、言葉が通じない。香港だと、言語って…

古山:メインは広東語ですね。英語は、喋れる人と喋れない人がいるので。

宮藤:ビジネスをしようと思ったら、英語は必須ですよね?

古山:英語はできないと厳しいですね。

宮藤:日本の鎖国的な部分、感じますか。

古山:そうですね。言語の問題が一番大きいですけど、ビジネスの感覚もちょっと違っていて。僕ももともと日本で仕事をしていたし、その後海外に来て両方見ているんですけど、日本のビジネスの仕方が逆に特殊ですね。日本のほうがマイノリティ。

宮藤:なるほど。

古山:感覚の部分とか、金銭の支払いとか。海外は「先に払え」が大多数なんですよね。

宮藤:へえ。他に何か具体的に「ここが違う」っていうところはありますか?

古山:ビジネスをやっている「人」でいうと、日本って縦社会で上司に対して距離感があるんですけど、香港の人たちは詰めるのが早いですね。言いたいことがあったら言ってくるし。

宮藤:そこははっきりしてるんだ。

古山:あと、今の日本は、法律的なことを知っている若い子たちが増えてますけど、香港は昔からそうですね。法律とか金銭問題は、学歴が高くなくてもめちゃくちゃ詳しい。すぐに裁判いくとか。

宮藤:日本の鎖国的なところや海外に対して警戒が強いところを解消するために、どんなことをしていますか?

古山:1つは、今のコンサル事業で繋げていくようなビジネスですね。あとは、僕が日本人のアイデンティティを持った海外居住者として情報を発信していく。「海外進出ってそんなに難しくないですよ」というのを発信すること。例えば、一回視察したいという方もいるので、その時にも関わって、触れ合う場をもっと設けていきたいなと思っているんです。

宮藤:あと、事前のアンケートで、「経営者になると従業員との距離感をどうするのかが意外に悩ましい」と書いてあるのですが、これはどういうことですか?

古山:例えば14年いたワタミは組織が大きくて、店長でもバイトが50人いたりします。そうすると、間に人がいるか、従業員との距離感は間仕切りにされていて、うまいこと段階を踏んでいたんです。でも自分が経営者になって、今は従業員が数人。ここの距離感が近すぎると、ここから会社を大きくしていく時にちょっとおかしくなってくるかなっていうのがあって。

宮藤:今、その正解は、なんとなくは掴んでいる?

古山:正解はまだちょっとわからないんですけど、試行錯誤しながらですね。

宮藤:ちなみに、若い人と付き合うのって大変ですか?

古山:そうですね。感覚が違うところがどんどん増えていて。今、うちの香港の従業員は一番上でも34歳なんですね。僕は今年44歳なんですが、34歳ぐらいまではまだなんとなく合います。

宮藤:わかりますね、なんとなく。

古山:それより下になると、知っている知識も話せる内容もちょっとズレがあるから、難しいところがありますけど。

宮藤:僕も、勝地涼ぐらいまでは話合うんですよ。34ぐらいなんですけど(笑)20代になるともうだめなんですよ。たぶん「わからない」っていう前提で話をすることになっちゃって。僕は別に悩んではいないんですけどね。

古山:でもわかります。バイトの子たちとなると20代なので。やっぱり話が合わないからあまり近づかないようにしていますね(笑)社員を通して話すみたいな。

宮藤:育ってきた国も違えば世代も違うとなると、結構大変ですね。

古山:そうですね。ただ、楽しいですね!いろんな人がいて「こういう人たちなんだ」っていう。いろんな国の “重きに置くもの”がそれぞれ違うのが知れると。

宮藤:ポジティブにとらえて楽しめるのはいいですね!

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