ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

花岡正人HANAOKA MASATO
2005年 専修大学中退(大学4年)
スキージャンプを小学生から続け、スポーツ推薦で大学まで進学。全国大会、国体などで上位成績。
2006年 株式会社花岡入社 祖父から続く会社(この時点で父が代表取締役)に入る
2010年 専務取締役就任
2012年 映像を学び始める。映像制作会社の友人、映像作家から学ぶ
2015年 映像事業部立ち上げ
2020年 COOTS株式会社設立 代表取締役就任
ゲスト花岡正人
TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。
日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。
お迎えしたのは、COOTS株式会社 代表取締役 花岡正人さんです。

宮藤:COOTS株式会社は、どんなことをしている会社なんでしょうか?
花岡:映像制作なんですが、その中でもWEBがメインで、自治体や企業のPR動画を制作しています。その他に、サイト制作であったり、SNSの広告運用、あとはドローンスクール等を行っております。
宮藤:花岡さんは、スキージャンプを小学生から続けていて、大学までやっていたと。全国大会、国体などで上位の成績!じゃあ、スキージャンプでやっていこうとは思わなかったんですか?
花岡:そうですね…食えないんですよ。
宮藤:食えない?
花岡:はい。
宮藤:確かにそうか…。スキージャンプって、企業がバックアップして…ってことですもんね。実業団で。
花岡:そうですね。そうなると、世界に羽ばたいている選手じゃないと、なかなか続けていけないですね。
宮藤:ジャンプは好きだったんですね。
花岡:好きでした。ジャンプだけ夢中になって、大学まで。
宮藤:出身はどちらですか?
花岡:出身は群馬県の草津温泉です。
宮藤:ああ、そうですか! それがまたなんで、映像の道に進もうと思われたんですか?
花岡:これが、「映像が好きだった」とか、そういった理由ではなくて。2012年なんですけども、その頃に何か事業展開をしたいなと考えていた時に、友人が「動画の需要が今すごい増えているんだ」と。そんな中で「映像を始めないか?」と声をかけていただいて。「じゃあ、やってみようかな」なんていうところからの入りで。
宮藤:それはおいくつの時ですか?
花岡:27歳かな…。
宮藤:実際はどうでした? やってみて。
花岡:「需要があるな!」と思って。
宮藤:ああ、やっぱり! じゃあ、今は8年くらい続けてらっしゃる?
花岡:そうですね。草津温泉に今も住んでるんですけども、そこを拠点にすることは、ずっと変わらず。草津に住みながら、全国展開できればなと考えております。
宮藤:ネットが普及してから、別に東京にいなくてもできますもんね。
花岡:そうですね。打合せもオンラインでできちゃいますし。実際に撮影だなんだってなった時には、出張しながら。
宮藤:そうですか。東京じゃなくても問題なく仕事できているってことですね。
花岡:はい。できています。

宮藤:それでは、そんな花岡さんが考える、WEB動画業界で感じる問題点を教えてください。
花岡:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、プロとアマチュアのクリエイターが混在していて、雑に仕事をする人も多くなっているんです。
宮藤:それは要するに、もう編集とか撮影とか、どんどんスマホとかソフトとかが普及してきて、誰でもできるようになっちゃっていると。うちの娘ですらやりますから、編集。
花岡:そうなんですね。
宮藤:誰でもできちゃうんじゃないか、っていうことですよね。
花岡:はい。カメラひとつとっても、高性能なカメラが安価に手に入るようになってきましたし、若い方がどんどん「映像クリエイター」とか「ビデオグラファー」なんて言ったりして、増えている状態ですね。
宮藤:それを見ていてどうですか?
花岡:増えること自体は、活気あっていいと思います。ただ、その中でも、プロ意識。まだプロになりきれていない中で、お仕事をされている方が多いなと。
宮藤:プロとアマの大きな違いってなんですか?
花岡:いろいろあると思うんですけど、いかにリスクヘッジをとったりしながら、業務をしっかり納品まで遂行できるかかなと思っています。準備も含め、いろいろと工程が多い中で、そこを1つ1つきっちりしていくこと。
宮藤:プロ意識なく仕事をされてしまうと、どういうところに影響が出てきますか?
花岡:安く仕事を受けるので、業界全体の価格・制作費が下がっていきます。雑なことをしているからこそ、工程を端折っちゃってると思うので。だから安くできちゃう。特にドローンとかだと、すごい安くやってる方がいらっしゃるんですけど。
宮藤:なんで安くできるんですか?
花岡:なんでですかね…。安くはできないはずなんですよ。飛行経路から、離発着地点などいろいろ計画を立てて、実際に飛ばす時も安全に飛行させるために人も多く必要ですし。でも、飛ばすこと自体は一人でバーッて飛ばせちゃうので。
宮藤:あ、そういうところを端折ってるんだ?
花岡:そうですね。そこがプロとアマチュアの差でもあるかなと思ったり。
宮藤:SNSで質問がよくくるそうですね?「仕事がとれなくてどうすればいいか」とか。要するに、同業者ということですか?
花岡:若い子で、「これから映像制作を仕事としてやっていきたいんですけど」っていう子たちからよくきますね。
宮藤:それは、答えてるんですか?
花岡:真面目に答えてます。
宮藤:それは、業界が活気づくのはいいことだと思っているわけですよね。それだと、仕事をとられちゃうんじゃないですか?
花岡:そこはもう、僕の努力で。仕事とっていって、むしろ若い子たちに仕事を与えられるようになったらいいなと考えてはいるんです。全国に仕事を広げていく中で、うちで受注したものをしっかりと教育した方に振っていけるようにしたいですね。
宮藤:業界の需要は今後増えますもんね。そしてまさにコロナ禍で実際に行けなかったりするから、動画で見る機会が増えるし、仕事もどんどん多様化していきますね、きっと。
