ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

平出浩太郎
株式会社エーエスエル 代表取締役社長

平出浩太郎HIRADE KOTARO

1999年に新卒で株式会社システム情報に入社
SE、プロジェクトマネージャー、経営企画室長など様々な職種を歴任。
2015年に株式会社システム情報が株式会社エーエスエルを子会社化した際に、出向の形で常務取締役に就任。その後、功績を認められ、代表取締役社長に就任。
現在に至るまで積極的に採用を行い、売上/利益を拡大し続けている。

2021年5月28日(金)

ゲスト平出浩太郎

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、株式会社エーエスエル 代表取締役社長 平出浩太郎さんです。

宮藤:株式会社エーエスエルさんは、1980年創業。もう40年以上やられているんですね。

平出:主にビジネス向けの、会社の方が使うようなシステム開発をやっています。お客さんの会社に技術者を常駐するような形でサービス提供しています。

宮藤:エンジニアさんを?

平出:そうですね。

宮藤:常駐っていうことは、何かトラブルがあった時にすぐに相談できるようにエンジニアの方がいらっしゃるんですか?

平出:それもそうなんですけど、例えばお客さん先で何かプログラムを作る時に、「システムをどのような作りにするか」も一緒に話せるように、そこで開発するっていうのが結構多いんですね。

宮藤:そうなんですか。ここの資料にもありますが、アプリケーションの設計・開発、各種インフラの設計・構築、コンサルティングサービス、RPA関連サービスをやられているんですね。“RPA”って時々見るんですけど、何なんですか?

平出:簡単に言うと、パソコンを使っている時、パソコンの動作を人間がやっているみたいな形でプログラムにやらせちゃうってことですね。だから、勝手に自動で動いているような。

宮藤:パソコンがですか!?

平出:勝手に動くような感じになりますね。

宮藤:ええ!何をしてくれるんですか?

平出:例えば、同じようなことを何回もやらなくちゃいけない作業ってあるじゃないですか。

宮藤:ありますよ。朝ドラを書いたりとか(笑)

平出:それは、全く同じではないですね(笑)宮藤さんならではの仕事だと思うんですけど。そうではないやつだと、全く同じことを何回も繰り返すようなものは、「ここはプログラムでいいじゃない」って。「ここの部分だけ変えて、同じこと何回も何回もやる」みたいな。例えば、社員の人がデータを入力する時に次々全社員分やるって、今までは手で入力していたものが、プログラムを作ってしまえばエクセルに書いてあるものを上からひとつひとつ取り出して勝手に入力して、取り出して、入力して、っていうのができるようになっちゃうんです。

宮藤:それがRPA!平出さんは、ご自身もエンジニアをやられていたんですよね。

平出:そうです。エンジニアをやっていまして、今でもプログラムを作ったりしていますね。わからなくなっちゃうので。

宮藤:なぜシステムエンジニアの道に進まれたんですか?

平出:私、今45歳なんですけど、その頃って横文字の職業があまりなくてですね。純粋に「かっこいいから」ですね。

宮藤:まさか「かっこいいから」だとは思ってなかった(笑)

平出:普通はそうならないと思うんですけど(笑)でも、かっこよさそうな感じじゃないですか。

宮藤:うんうん。実際どうでした?

平出:思っていたのと違う雰囲気はしましたけど、ただ、私は合っていました。文系でも全然大丈夫。向いてる人は向いている、向いてない人は向いていないってはっきりと分かれるような仕事だと思いますよ。

宮藤:システムエンジニアの業界では、コロナ禍の影響は今出ていますか?

平出:仕事は減ってしまっているんですけど、ただ、いろんな変化が起きていまして。リモートワークが、この業界はすごくやりやすいんですよ。パソコンさえあれば離れていても全然できちゃう。だから、今うちの会社だとだいたい8割ぐらいが何らかの形でリモートワークしてるんですよ。で、半分ぐらいはもう完全にフルリモート枠ですね。

宮藤:会社にも来ない?

平出:出社しないです。私はフル出勤してますけど。エンジニアの人は結構リモートですね。

宮藤:お家とか、それこそ外でやってるんですか?

平出:お家ですね。外だとセキュリティの問題が出ちゃって、プログラムを作っていて後ろから見られちゃったりとかするのがダメで。

宮藤:じゃぁコロナによってリモート化がより進んだって感じですね。

平出:そうなんです。もともと「リモートは出来ない」って言われてたんですよ。なぜかというと、さっきのセキュリティ問題で。後ろから見られちゃったり、外に持ち歩くこと自体にリスクがある。

宮藤:うんうん。そうですよね。

平出:そこがあったんですけど、やらざるを得なくなっちゃって。みんなやったら、「あれ、意外と大丈夫じゃない?これ」って話になっているんだと思います。だから、ここから先は、コロナが落ち着いたとしても、リモートで続くものはかなりあると思います。この業界は特に。

宮藤:そして今は、中途採用を年間60名以上採用しているということですが。

平出:はい。うちの会社は社員数250人くらいなんですが、その割には「年間60名」というとかなり多いほうだと思います。いっぱい人を増やして大きくしていきましょう!と、ずっとチャレンジし続けています。

宮藤:エーエスエルさんは、「エンジニア・ファースト」を実現している会社だそうですが、どういったところがエンジニア・ファーストなんですか?

平出:いける限りわがままを聞いてあげることですね。普通の会社と社員というと「会社のほうが上」みたいな感じがありますけど、うちはどちらかというと逆になってるかもしれないぐらい、お客さん扱いのような。

宮藤:エンジニアさんを?

平出:はい。私も偉そうにしているわけでもないですし、エンジニア自体が「やりたい仕事」を見つけて、どこかに派遣したり。あとは、ここから先、技術が変わっていくんですよ。だから、新しいものを知っていかないといけないので、そういうのをちゃんとこちら側で見てて「これがトレンドだから、こっちいったほうがいいぞ」という技術も考えつつ。「エンジニアを大事にしていこう」というのを一番に考えて会社を運営しています。

宮藤:そんな平出さんが、“業界のここを変えたい!”と思う点を教えてください。

平出:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、この業界、まだまだブラック企業が多いんです。

宮藤:それの裏返しというか、「それじゃいけない!」ということで、「エンジニア・ファースト」になっているっていうことなんですね。

平出:はい、そうですね。ブラックって言っても、最近は残業がすごいっていうのも減ってきたんです。

宮藤:そうなんですか。

平出:でも、今度は逆にエンジニアの人不足が発生していて。嘘をついてでも採用するような会社が増えてきちゃったんです。例えば「ボーナスが〇〇円です」って書くのって、最初の段階で嘘書いちゃってもわからないじゃないですか。で、実際は「ありません」みたいな。あとは、「みなし残業〇時間」って本当は付いているのに、「みなし残業ないです。残業代全部出ます」とかって書いてあって、実際に入ると残業代が出ないみたいな。こういったのが結構蔓延しているというか。小さい会社だと結構そういうのがあるので。

宮藤:優秀なエンジニアの人が海外に行っちゃうとかってよく聞きますけど、やっぱりあるんですかね、日本の業界がブラックだから。

平出:ブラックだからというのもあるとは思うんですけど、そもそも海外だと、エンジニアはもっとお医者さんみたいな職業で。

宮藤:そうなんですか?

平出:システムエンジニアはちゃんとそういう大学を出て、資格を取って、卒業して。「エンジニア」って言うと「頭いいんだ、あの人」みたいな感じの状態なんですね。欧米のほうだと、日本と比べてお給料も倍ぐらい。平均年収がもう倍ぐらいなんですよ。

宮藤:ええ!

平出:1,000万円以上は絶対いくので。日本は半分ぐらいなんですよね。

宮藤:なんでそうなっちゃうんですかね?

平出:日本だとシステムエンジニアになるハードルが低すぎて…。誰でもなれちゃうような感じがしていて。実際は海外のちゃんと大学卒業したっていう人と同じ作業をしているにも関わらず、なめられちゃっているというか。すぐなれちゃうから。給料がそんなに高くなくて「結構できるのに」という人が結構いるんです。うちの会社はそれをなるべくなくして、給料上げたいっていうのがあるので。海外は本当に給料が高いので、行っちゃう人はいっぱいいますね。

宮藤:給料もいいし、地位も高いんだったら海外に行っちゃいますよね。

平出:英語喋れるんだったら絶対海外行っちゃったほうがいいと思います。「いいと思います」じゃないですけど(笑)

宮藤:それじゃ困るんですけどね(笑)

平出:そうですね。だから、日本も経産省とかが出している資料だと「2020年代後半くらいには、エンジニアの給料を倍に」って書いてあるんですけど、「施策は何なの?」っていうと、たぶんない。そこは、うちらがやっていくしかないですね。

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