ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

神尾太資
株式会社アモス 代表取締役

神尾太資KAMIO DAISUKE

平成20年 大学卒業後、東京でシステムエンジニアとして就職したのち、現アルフレッサに転職。
平成25年 株式会社アモスに入社。平成29年8月に代表取締役に就任。今では薬局11店舗を展開する。

2021年9月17日(金)

ゲスト神尾太資

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、株式会社アモス 代表取締役 神尾太資さんです。

宮藤:株式会社アモスさんは、どのようなことをされている会社なんでしょうか?

神尾:愛知県を中心に調剤薬局の経営と、施設や在宅の方への薬の配送・調達をしております。

宮藤:処方箋を持って行ったら薬を出してくれる、例の調剤薬局を11店舗経営していると。

神尾:はい。例の調剤薬局を(笑)

宮藤:あっ(笑)「例の」というのは、以前、薬剤師の方の話を聞いたことがありまして。

神尾:なるほど。現状、愛知県に9店舗で滋賀県に2店舗。で、計11店舗を経営しております。

宮藤:会社のHPを拝見すると、「お待たせする時間を極力少なくするように努力しています」と書いてありますが、以前、薬剤師の方にゲストに来ていただいた時に「なんで時間がかかるのか」と。「処方箋を持って行ったらすぐに薬って出てくるもんじゃないの?」って言ったら、「それは薬剤師が本当にこの患者さんにこの薬で合っているかを吟味してくれているから時間がかかるんだ」と言われて、本当に申し訳ない気持ちになったんです。その上、アモスさんでは、待ち時間を減らす努力をされていると。具体的にどのようにしているんですか?

神尾:弊社では、処方元のドクターと強固な関係を築いていますので、予めどのような薬が処方されるかがわかっています。

宮藤:え!すごいですね。

神尾:関係性をしっかり保ってますので。即時に薬を用意することができるのと、薬の二重チェックというのがあるんですけど、そのチェックを機械で行っていますので、より正確でスピーディーな処方をすることができます。

宮藤:なるほど。

神尾:また、専用のLINEもありまして。そのLINEで処方箋の写真ですとか、「こういった薬出るから取りに行くね」ということを予め伝えていただく。

宮藤:なんだ!それやっていいんだ!そうかそうか。そういうことをしていれば、患者さんともね。

神尾:薬の作り置きもできますので。来店いただいたらすぐに処方、出せるという。

宮藤:進んでいますね。知らない間に。

神尾:ありがとうございます。

宮藤:そして、業務内容に「在宅訪問での薬の調達、老人ホームへの薬の調達」とありますが、こういう需要は今増えているんですか?

神尾:はい。今、高齢化の影響で「お家で最期を迎えたい」という方が増えてきていますし、国が入院をなるべく短くするような政策の流れもあるので。需要がどんどん増えていますね。

宮藤:それでは、神尾さんが感じている、業界の問題点を教えていただけますでしょうか。

神尾:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、薬剤師の存在価値がどんどん下がってしまっているんです。

宮藤:薬剤師の存在価値?でも、薬局の数もすごい多いですし、薬は薬剤師さんに出してもらわないと我々も手元に届かないですから、必要とされている存在だと思っているんですけど。そうではないんですか?

神尾:そうですね。今、国の財源がどんどん減っていく中で、2年に1回の調剤報酬改定がありまして。

宮藤:調剤報酬改定?

神尾:平たく言いますと、この点数のことをすることによって国がその点数をあげますよという。

宮藤:点数?

神尾:はい。国から薬局に、そのお金をいただけるというか。

宮藤:あ~、国の方針に近いことをやっている薬局に点数をあげることで優遇するっていうことですか。

神尾:はい。

宮藤:査定みたいなことですか?

神尾:査定ですね。点数が、表面上では変化に気付かないんですけども、実質的に今点数が下げられている段階なので、結果的に優秀な人材がどんどん離れてしまっている状況です。取れる点数を減らして、取れそうにない点数を増やしているっていうことを今されているというか。

宮藤:国が?

神尾:国がです。

宮藤:要するに、クリアするのにはちょっと人手が足りないとか、人件費が足りないとか、経営が難しくなるようなことをやれって言ってるわけですね。

神尾:そうですね。そこに点数をあげますよっていう。

宮藤:例えば、どういうことですか?

神尾:例えば、365日・24時間体制ですとか。

宮藤:そんなの見たことないですけど、あるんですか?

神尾:ええ。実際にありますし。

宮藤:24時間やっている薬局が?

神尾:お店は閉まっているんですけども、電話が来たらいつでも対応できるという。そういった薬局も増えてきていますし、それこそ在宅をどんどんやっていかないと点数あげませんと。で、現状在宅も点数はそれほど高くないので、やればやるだけ儲かるかっていうとそんなことはなくて。ただ、それをやれないと最低限の点数はあげませんっていうふうになってきているので。

宮藤:これは、なかなか国が厳しいですね。

神尾:厳しいんですよ。

宮藤:まあ、財源が減っているからっていうことなんでしょうけど。結構大変ですね。経営やっていくのがね。

神尾:そうなんです。

宮藤:そうすると、薬剤師になろうっていう若い人が減っているんじゃないですか?

神尾:そうなんですよ。どんどん離れていってまして。

宮藤:大変だってわかりますもんね。

神尾:そういう状況なのに、薬学部の学生の通学期間は4年間から6年間に変わりまして。

宮藤:僕知らなかったんですけど、そうなんですってね。6年生まで行かなきゃいけない。

神尾:今は医学部と一緒で6年生まで行かないといけないんですね。そもそも、平成16年に国が薬剤師の教育をもっと向上して、薬剤師としての価値を上げようということでそういった政策になったんですけれども。逆にそれが2年分の授業がさらに重なることによって、2年分の社会人としての時間も削ってしまうじゃないですか。

宮藤:「6年かかるのかよ」って思っちゃいますよね。

神尾:はい。そういう状況の中で、点数がどんどん下げられていってしまって。薬局としては経営が圧迫されているので、結果的に人件費を減らさざるをえない状況で、これはかなり大きな問題かなと思っています。

宮藤:そういった問題を解決していくために、アモスさんではどんな取り組みをされているんですか?

神尾:まずは会社のブランディングを上げて、他社との差別化に注力しています。その中で今の薬学生の方々に、こんな会社があるんだと知ってもらいたいですね。

宮藤:「他とは違うんだよ」とアピールしているということですね。

神尾:はい。今、薬剤師の年収はどんどん減っているんですけど、アモスでは、やる気があれば昔以上に稼げる薬剤師を育てて「どんどん稼げますよ」と。

宮藤:さっきの話に戻りますけど、「在宅で」っていう患者さんが増えて、しかも今後どんどん高齢化社会になっていくじゃないですか。薬剤師さんももっと増えてもらわないと困りますよね。いやいや、業界をリードしていくべく、頑張って下さい。

神尾:ありがとうございます。

宮藤:ありがとうございました。

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