ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

河内大志
河内工務所 代表

河内大志KAWACHI TAISHI

1998年 建築系専門学校を卒業、建設会社に就職。
会社の方針で自主退社し、家業を継承。新潟県長岡市で、地域密着工務店の第一歩を踏み
出す。

2021年7月9日(金)

ゲスト河内大志

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、河内工務所 代表、河内大志さんです。

宮藤:河内工務所は、新潟県長岡市にあるんですね。事業内容を教えていただいてよろしいですか?

河内:新築注文住宅、リフォーム工事、リノベーション工事など、住宅全般で仕事をしている工務店です。

宮藤:会社ができたのが1910年!今年111年目ってことですか!?

河内:自分で4代目ですね。

宮藤:じゃ、曾祖父の方が創業されたんですか?

河内:そうです。改めて言われるとすごく「100年企業だな」って思うんですけど、続けていて金持ちになったとかそういうのはあんまり(笑)でも、地元のお客さんにかわいがってもらっているっていうのが一番ありますかね。

宮藤:なるほど。特に紹介したい事業のポイントなどありましたら教えてください。

河内:今、うちがお客さんに提案しているのが、ひさしがあって屋根がある程度出ていて、長い。

宮藤:土地柄もあるんですか?

河内:そうですね。新潟県長岡地域は雨風や雪が。意外と日差しも強いです。ある程度平野なので、山も海もあります。でも、ムシムシした暑さもあるんですね…湿気があって。それで冬は雪も降るし。

宮藤:事前アンケートには「地元の自然素材を使ったワンランク上の家造り」と書いてありますね。

河内:新潟県って、森林は結構あるんですが、意外と木材を加工する場所が少ないんですね。九州とか静岡とか、県外の素材が使われることが多いんです。

宮藤:長岡に建っている家だけど、素材はそうじゃないっていうことが多いと。

河内:県外のものが使われる理由は、気密を取るためには、濡れた材料だと狂ったりするんですね。ある程度乾燥した材料となると、長岡の材料より、暖かいところや外国の輸入材が好まれます。

宮藤:でも、河内さんのところでは地元の材料にこだわっているっていうことですか?

河内:こだわりたいんですけど、コストを考えると、なかなか難しいんですよね。でも、その中でも県産の杉を内装材に加工したものは、積極的に取り入れています。

宮藤:そんな河内さんが、お仕事を通して実現したいことがありましたら、教えていただけますか?

河内:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、家づくりを通して人が出て行かない、そこにずっと住んでいたいと思える地域づくりをしたいんです。

宮藤:僕は宮城県出身ですけど、田舎にいるとどうしても「都会に都会に」っていう気持ちになりますよね。

河内:そうですね。都会にいったん出てしまうと、やっぱり田舎からしてみると良いところばかり見えますよね。でも、結局60歳ぐらいで退職して帰ってきてもなんか馴染めなくて。そこでまた戻ったりする人もいます。

宮藤:やっぱり人口は減ってきているんですか?

河内:そうですね。高齢者は亡くなっていくのは当然なんですけど、昔からある地域から、団地に引っ越したりする人もいます。その地域のしがらみが嫌だとか。

宮藤:ああ。わかる気がする。

河内:行事とか祭りとか。

宮藤:「ここから一回出たい」っていう。人間関係が煩わしいとかですよね。

河内:そうです。朝5時半に起こされて草刈りに行くとかね(笑)

宮藤:(笑)

宮藤:事前のアンケートに書いていただいた、「近年、大手ハウスメーカーが地域工務店を取り巻いて行こうという戦略で、地域工務店のメーカーの下請け化が進んでいる」ということなんですけど、要するに河内さんのところが下請けになっちゃうってことですか?

河内:そうですね。結局、地元の工務店は、地場の仕事がなくなってくると、生活のために職種を変えるか、あとは大手ハウスメーカーとか、地元でも結構大きい会社に、仕事だけ頼まれて。

宮藤:ああ、「これやってください」と指示をされて、下請けをすると。

河内:そうです。自分のやりたいこともできないですし、収入も決まってくるんです。そういう仕事だと、今、自分たちが建てたり、工事しているお客さんの顔が全然見れなくて。

宮藤:間に入っちゃってるわけですもんね。

河内:そうです。お客さんも、「誰に頼んでいるかわからなくなる」。それでいて、変な工事をされて、それが一見さんで、工務店も「二度と顔合わせない」となると、お客さんが困りますよね。

宮藤:そうですよね。あと、建てた後に問題があったとしても、「あれは下請けだから」ってなっちゃいますもんね。

河内:あとは、効率化だけを考えた住宅が多いんです。もっと、気持ちや時間に余裕をもって仕事ができるような職業になればいいなと思います。

宮藤:ちなみに、職人さんって、若い人の成り手が少ないですか?

河内:少ないですね。自分の子どももなんかYouTuberになりたいとか(笑)あと、たまに「お父さんの仕事を継いだほうがいい?」と言われるんですけど、はっきり答えられないんですよね…。

宮藤:あぁ。

河内:そこがもっと「絶対勧めるから、やれよ!」って自信をもって言える企業というか、職業にする。それが目標ですね。

宮藤:5代目が今、YouTuberになろうとしているってことですね(笑)

河内:YouTubeばっかり見てるんで(笑)5代目はなぁ・・・。4代目で終わりなんですかね。

宮藤:いやいや!そんなこと言わないで。ぜひ200年やってください。

河内:200年(笑)頑張りたいですね。

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