ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

木村昌平
Blue株式会社 代表取締役

木村昌平KIMURA SHOHEI

駿台甲府高校卒業
専修大学商学部マーケティング学科卒業
不動産会社を2か月で退職
都市ガスの配管業で1年半働く
人材派遣会社で1年間働く
2017年8月に独立

2021年5月28日(金)

ゲスト木村昌平

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、Blue株式会社 代表取締役 木村昌平さんです。

宮藤:Blue株式会社さんは、どんなことをしている会社なんでしょうか?

木村:インターネットの広告代理店を始め、メーカーとしてD2Cでアパレル『AngeBloom』、天然蜂蜜『蜂の雫蜜』の事業を運営しています。またInstagramで子育ての事業をしたりと、何でも屋という感じです。最近ではコロナで大変ではありますが、エステサロン『mode Shohei』やパーソナルトレーニングの事業を開始しています。

宮藤:木村さんは、大学でマーケティングを学んだあと、いろんなお仕事をされたみたいですが、「不動産会社を2か月で退職し、都市ガスの配管業で1年半。そして、人材派遣会社で1年」。なぜ起業に至ったんですか?

木村:実は人材派遣会社の時点でカードローンみたいなものが笑っちゃうぐらいあって…。

宮藤:ええ!

木村:あと半年以内に元金+利子を超えるものを払っていかないと、人生終了…と。その時に「本業以外の時間で自分に何かできることはないかな?」と考えていたんですよね。その時に、Web広告の副業は死ぬ気で頑張れば僕でも始められるんじゃないかと思ったんです。このご時世で、それまでインターネットと無縁だった自分を変える意味でもありました。毎日寝る間も惜しんで独学で勉強して半年ぐらいで起業に至るという。僕はすごい運があるほうだったと思います。

宮藤:確かに。そして、事業内容が多岐にわたっていて、育児アカウント「hagyu」を運営されていると。ちょっと僕、これ興味があって、インスタを見たんですが、例えば「ベビーベッドを卒業した赤ちゃんの寝床3選」とか「鼻吸い器TOP5」とか。鼻吸い器が5つあるってことに衝撃を受けています。一つしか持ってなかったです。

木村:最近、増えているんでしょうね。

宮藤:いいのが増えてるんだ。こういう、前だったら育児本とか雑誌で探して仕入れていた知識が、インスタにまとまってるんですよね。なんでやろうと思ったんですか?

木村:これを始めたのが2年前。2019年の9月とかなんですけども、最初はいわゆるこういう育児のまとめサイトみたいなものがInstagramにはなかった。でも、Googleで検索したら、ブログとかWebメディアはあったし、書籍もあった。だから、Instagramでもやれるんじゃないかな?と始めたのがきっかけなんですね。

宮藤:なるほど。

木村:その根底に、僕、母親が3回離婚してたりして。一般的に人が見ると「なんか、すごい暗い過去を」って。僕は幸運にも全く何も問題はなかったんですけど…。多分。(笑)でも、離婚とか子育て問題の原因って何かな?って考えたんです。

宮藤:はい。

木村:おそらく結婚して、その時は幸せな未来を描いてますよね。でも、実際に子どもができて、「お前、子ども泣いてるぞ!」「いやいや、あなたの子でもあるんだけど!」みたいな。いわゆる、お互いの子育てに対する認識や期待値のズレがあるんじゃないのかなと。

宮藤:「ワンオペ育児」ってやつですね。

木村:そうですね。僕たちはこのメディアを通して、「子育ては楽しい!けど大変」ということをちゃんと教えたい。その上で、結婚する前にどういう認識で子育てをするべきかを夫婦で話し合いルール化しておけば、後になって「大変だ、辛い」ってことはない。お互い覚悟の上で子どもを産めるから、そこの認識の齟齬が無いところを目指していきたいです。

宮藤:木村さんは、お子さんはいるんですか?

木村:はい。4月に産まれたばかりです。

宮藤:産まれたてなのに、木村さんは全部わかってるってことですもんね。ここまで準備できてるってことですもんね。

木村:僕もそう思ってたんですけど、妻は「あんたは何にもわかってない」って言いますよ。

宮藤:これだけインスタ作って、フォロワーがいても「わかってない」と(笑)

宮藤:今、こうやってお話を聞いて、事業を思いつくのはわかるんですけど、思いついてからビジネスとして成り立たせるのって結構大変じゃないですか?

木村:生きていると「うわ、これ面白いな」「これ興味あるな」ってことがいろいろあって。小さい頃はそれが楽しいだけなんですけど、ビジネスをやっていくと、「この面白さって数値化するといくらになるんだろう」っていうのがちょっと見えてきた気がするんです。例えば、子育てだったら「このくらいの人をアカウントで集めることができて、このくらいの人に商品を購入していただけたら、会社としてこのぐらい利益が出るから、アカウントはいつまでにこのぐらいのフォロワーにしなきゃいけないな」と見えてきたのが2年前くらい。

宮藤:へえ。

木村:だから、基本的には「情熱を数値化する」ことが、僕の中ですごく大事なことなのかなって思います。

宮藤:すごいな。俺が持ってないものを全部持ってるな。

木村:いやいや、宮藤さんは天性の才能でやっていらっしゃると思うんですよね。

宮藤:いやいや。数値化するっていう発想が、今やっぱりインスタのフォロワー数とか、結局数字に直結しますもんね。

木村:そうですね。

宮藤:我々はそういうのなかったから。そうだなって思いついても、ビジネスにはなかなか直結してなかったような気がして。そして、意外に知られていないと思う、経営者の苦労を教えてください。

木村:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、経営者って、会社にいないことが多いんですが、従業員からは「遊んでる」と思われてるんじゃないかと…。

宮藤:うーん。遊んでいるんじゃねえかって思いますよね(笑)実際、遊んでるんじゃないですか、それは。

木村:え、僕がですか!?僕は遊んでますよ!嘘です。(笑)

宮藤:じゃ、何をしているんですか?

木村:僕らって会社にいたとしても、例えば従業員に「調子どう?」「その仕事どうなってるの?」って話し始めることって、部下の仕事へ経過の介入でしかないのかなって思うんですよね。

宮藤:ああ。

木村:部下からすると、もう無駄な時間でしかないんですよね。どうなってるかを答えることなんて、定例があるんだから、その時でいいでしょって。

宮藤:はい、わかります。

木村:結構、これやっちゃうんですよね。

宮藤:やっちゃう、やっちゃう。

木村:子育てでもやっちゃいそうな気がしちゃって。この「経過の介入」はとてもなくしたい。

宮藤:“経過の介入”。ちょっとその言葉覚えて帰りたい。娘にすぐ言っちゃうんです。「勉強してる?」って。「うん、してる」「今、何の教科やってるの?」とか。

木村:だいたい「今からやろうと思ったんだよ!」って、不毛な感じになっちゃうじゃないですか。弊社では完全結果主義。言い訳ができないように期限が来た時に結果を判断するので経過の介入は原則NGなんです。

宮藤:だから、会社にいないんだ?

木村:基本的にはそうですね。外で仕事をするようにしますね。でも、僕は遊べない経営者はおしまいかなって思います。やはり、自分でいろいろ遊んで、熱中して、「これが面白い」「えっ、でもみんな知らないんだ」「じゃ、会社でやってみよう」とか。前を走る人間は誰よりも好奇心の塊でないといけないのかなと。

宮藤:それはそうですよね。だって、世の中のこと知らなかったらね。「そのために俺は会社にいないんだぞ」っていうことを、従業員に伝えられるといいですね。

木村:でも、この宮藤さんとの話はあんまり聞いてほしくない感じがしますね、従業員にね(笑)

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