ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

小寺信仁
株式会社グラムラフタースタンダード 代表取締役

小寺信仁KODERA NOBUHITO

2003年より長きに渡ってEC業界を経験。楽天、ヤフーショッピング等で数々の賞を受賞
2016年より自らインフルエンサーとして活動し、インフルエンサーマーケティングを開始
2017年よりフリーランスでファッション系を中心に、ECサイトの運営代行やECのコンサルティング、インフルエンサーマーケティング、MD、WEB制作、撮影代行業務を展開
2019年10月に株式会社グラムラフタースタンダード設立。現在60以上のブランドのPR実績を持つ

2021年8月20日(金)

ゲスト小寺信仁

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、株式会社グラムラフタースタンダード 代表取締役 小寺信仁さんです。

宮藤:株式会社グラムラフタースタンダードさんは、どういった会社なんでしょうか?

小寺:簡単になってしまいますが、アパレルのブランドさんを中心にECの運用からECサイトの制作、撮影、あとはインフルエンサーを使ったマーケティングをしていたりと。とにかく、「アパレルさんのECサイトを盛り上げよう」と。「ECサイトの数字が上がるのであれば何でもサポートします!」っていう会社をやっております。

宮藤:なるほど。すみません、全然簡単じゃなかったんですけど・・・ECってなんですか?(笑)

小寺:あっ、そうですか(笑)簡単に言ったら、ネットショッピングですね。

宮藤:あ~。

小寺:ネットで物を買うっていうサイト。楽天さんとかAmazonさんとか、うちでは、メインはZOZOTOWNさんに出ているブランドさんのサポートを一番多くやっております。例えば、「ZOZOTOWNの中で売上を上げるためには、こういう写真よりこういう写真を撮ったほうがいいですよ」とか。

宮藤:あ~。なるほど。

小寺:あとは、運用的に「ZOZOTOWNの特性はこういう感じなので、こういうMD展開どうですか?」というアドバイスをしたりとか。で、今はそのECで数字を上げるというところで、通常のWeb広告ではなかなか費用対効果が良くなくて。

宮藤:そうなんですか?

小寺:はい。なので、今はインフルエンサー・Instagramとか、あとはZOZOTOWNさんでいうと「WEAR」っていうコーディネートアプリがあるんですけども、そこのインフルエンサーを使ったPRをして、そこから商品ページに人を送客するという、インフルエンサーを使ったマーケティングが今すごく主流で。

宮藤:それは、例えばインスタで見て「この洋服いいな」って思ったら、そこにいける何らかのリンクがあるわけですよね?

小寺:そうです。僕らがPRしているブランドさんのお洋服を、僕らがキャスティングしたインフルエンサーさんたちに着て頂いて、その文章を見てそこのタグからそのブランドのサイトに飛んだり。あとは、「ストーリーズ」のスワイプアップで商品ページに直接飛んでみたりとか。

宮藤:すげえ。それって常識なんですか?(笑)

小寺:そうですね(笑)今はかなり主流になっています。

宮藤:じゃ、「この人のこの服いいな」って思ったら、その人のこの服を買いにいけるってことですか?

小寺:そういうことです。もちろん広告なので、本当に普段着ている服と区別するために「この投稿はPRですよ」ってうたわなきゃいけないんですけども。

宮藤:もちろんそうですよね。それでもみなさん「この人のこの服着てみたいな」って人がいくわけでしょ?

小寺:そうですね。

宮藤:どうやればより買ってもらえるかっていうことを、インフルエンサーの方にも指導しているんですか?

小寺:そうですね。実は、インフルエンサーさんに、下手したらうちの会社から多く払っている人で月に150万~200万とかでやってもらっている人もいるんですよ。

宮藤:なにぃ!?すげえな!

小寺:基本的には、僕らがアドバイスする必要もないぐらい、本当にみなさん、その道のプロなので、みなさんそこにめちゃくちゃ時間をかけてやってるんですよ。

宮藤:すごいですね。

小寺:「こういうハッシュタグを使えば伸びてくる」とか「この時間に上げれば人が見てくれる」とか、全てインフルエンサーさんはわかっちゃっているので。あんまりアドバイスはしたことないかもですね。

宮藤:へえ。

小寺:フォロワーが10~20万人いる人たちは何も言わないんですけど、まだ何千人とかでこれから頑張るぞって子たちには、ちょこっと「こういうふうにしたほうがいいんじゃない?」ってことは言ったりするんですけど。

宮藤:これからのインフルエンサーには?

小寺:そうですね。

宮藤:やっべー。ちょっと知らない間に世の中が変わってきてるぞ。

小寺:本当にすごい子は、ブランド立ち上げて。例えば、売上の20%で取引したりして。そのブランドが月7,000万円売ってたりするので、その子は月1,400万円もらっているみたいなブランドがあったり。当たっている人は本当に。それぐらいすごいっていう人はいるので。

宮藤:へえ。すごい。

小寺:だから、インフルエンサーとして力を付けたらやっぱり「ブランド持ちたい」っていうところにシフトしている人たちが多いですけど。まあ、そこまで大成功する人はなかなかいないですけどね。

宮藤:そうですよね。話は変わりますが、この「グラムラフタースタンダード」っていう会社名には、どういった由来があるんですか?

小寺:僕、アンドリュー・カーネギーさんっていう方の「笑い声のないところに成功はない」っていう言葉があるんですよ。

宮藤:すごくいい言葉ですね。

小寺:それがすごく昔から好きで、座右の銘としているんですけど。英語で「There is little success where there is little laughter」っていう言葉なんですけど、その「laughter」っていう言葉をひとつ欲しいなと思いまして。で、「グラム」というのは“魅力的な”とか“素敵な”っていう言葉で、造語にして「素敵な笑いが僕らのスタンダードです」っていう意味合いで名付けました。

宮藤:なるほどね。

小寺:すごい恥ずかしいんですけど(笑)

宮藤:いやいやいや。素晴らしいですね。そんな小寺さんは、もともと何をされていたんですか?

小寺:もともとWebデザイナーとして仕事をしていたんですけど、人様のサイトを作って良い悪いってクライアントからは評価を受けるんですが、世の中的に本当にいいサイトを作れているのかがわからなくて。うーん…と思っている時に、たまたまその会社の経営がうまくいかなくて、転職活動をすることになりました。そして、転職した会社でECという世界を知り、ECって、いいページを作ったりいい企画をして販売すると「売上」で跳ね返ってくるので。「これが、自分たちが頑張っている評価の結果なのかな」と実感できるので、そこがすごく面白いなって思いました。

宮藤:へえ。

小寺:それで「この業界でやっていこう」と。

宮藤:もともとWebデザイナーだったんですね。そこから、eコマースの世界に。

小寺:はい。最初はWEB制作をやっていて、そこからEC全体の運用や管理をする責任者を任されるまでいって。で、楽天さんやYahoo!ショッピングさんで受賞させていただいて、実績ができまして。

宮藤:そんな小寺さんが、今、業界に対して思っていること、感じていることを教えていただけますでしょうか。

小寺:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、コロナ禍で元気がないアパレル業界を、もっと盛り上げていきたいなと思っています!

宮藤:今どこもコロナで大変ですけど、アパレル業界もやっぱり大変なんですか?

小寺:そうですね。むちゃくちゃ大変で、店舗を持っているところ程、打撃が大きくて。

宮藤:お店に買いに行くのが気が引けるっていう?

小寺:そうですね。あとは緊急事態宣言でお店を閉めざるを得ない時に、家賃だけ発生したり人件費だけ発生したりっていう打撃が大きくて。それで世の中的には「じゃ、ネットで売りましょう」と、みなさんECにシフトしてきたっていうところがあるんですけど。

宮藤:あ~。そうですね。

小寺:とはいえ、ただただ実店舗の在庫をECに移動させて売っているだけで。ブランドのECサイトとしては売れているんですけど、会社全体としては全然それだけじゃ補えてないんですよ。

宮藤:なるほど。利益が増えるほど、売れているわけではないと。

小寺:はい。その実店舗分のマイナス分を補える程、売れているかというとそこまでではないので。とはいえ、やれることはアパレルさんはそこしかない。まずこのコロナが落ち着くまでは、ECでなんとか数字を上げられるようにして、コロナが落ち着いたらまた実店舗のほうにも。そういう流れができればいいですね。

宮藤:「じゃあ、もうeコマースだけで!」っていうわけではなく、「店舗は店舗で大事」っていう考え方なんですね。

小寺:そうですね。これだけネットで物売ってる人間が何言っているんだ?って話ですけど、やっぱりショッピングって、リアルな体験をして、洋服だって自分で合うサイジングとかをリアルで着て楽しむものじゃないですか。目で見て。

宮藤:はい。

小寺:僕は、絶対的にリアルの場が大事だと思いますし、コロナ禍で「リモートだ」とか「ECだ」とかってなってますけど、やっぱり人としてっていう意味では、僕はリアルに人と人が接して、感じて、っていうことが大事だと思うので。コロナが落ち着いたら、また逆にそっち側を盛り上げる活動はしたいなと思っています。

宮藤:なるほどね。そうですよね。

宮藤:そして、アパレル以外にも力を入れている事業があるということですが?

小寺:これがまた、「植物」なんですけど。

宮藤:植物?

小寺:はい。僕の趣味から始まったところもあって。一般的な観葉植物ではなくて、「塊根植物」と言われる、いわゆるぷくっとしたマダガスカルとかにしか生えてないものだったり。

宮藤:サボテンとか、ああいうやつですか?

小寺:サボテンももちろんその中のひとつなんですけど、ちょっとまた違って。幹がぷくっとしていてちょこっと葉っぱが生えているぐらいな、変わった植物たちなんですけど。

宮藤:へえ。

小寺:僕がそれに1年ぐらい前からハマりだして。実は日本でこの種類のこのサイズの株は僕しか持ってないんじゃないか?っていうのも、あるかもしれないぐらい、かなりのコレクターになってしまうくらい好きになってしまって。この塊根植物は、ここ最近その道ではとても人気なのですが、自分でショップもやってみて、僕がいいよって思った株をみなさんにご提供できたら面白いかなと思って始めまして。

宮藤:それって、育てるのは難しいんですか?

小寺:一般的な観葉植物と比べると、そんなに水やりがいらないので個人的にはそんなに難しいとは思ってないんですけど、ただ、輸入した時に根っこがない状態で来るんですよ。それを発根させる作業が。

宮藤:なるほど。土に入れて根っこが生えるまで?

小寺:そうです。根っこが生えるまではなかなか難しい作業ではあって。

宮藤:うまく育たなかったら、ただ珍しい塊が来るだけってことですね。

小寺:そうなんです(笑)

宮藤:これは何としても根っこを生やしたいですね。

小寺:そうなんです。で、それ一個が下手すると10万20万する高いものなので。

宮藤:なにぃ!すごいですね。

小寺:うちもショップでやっているので、自信がないという方には、発根まではうちのショップでやって、根が出たらお渡ししますということもやってたりもします。

宮藤:今後、どういう展開を考えているんですか?

小寺:僕のコレクションが珍しかったからなのか、良いと思って頂けたのか、梅田阪急さんにお声がけいただいて、今年の10月末にTHE NORTH FACEさんやPatagoniaさんとかと一緒にブースを構えてイベントに出させてもらうことになりまして。

宮藤:ええっ。すごい。

小寺:そういうきっかけもあるので、うちの会社8月が決算なんですけど、来期には植物とあとはコーヒーとかカフェ的なスペースを提供できるような店舗を展開していきたいなと考えています。

宮藤:これ流行ったらすごいですね。

小寺:そうなんですよね。僕もインフルエンサーマーケティングをやっていることもあるので、もうちょっと一般的に始められる人が多くなるように、買い求めやすい値段の株を提供することも視野に入れてやっていきたいなとは思っています。

宮藤:わかりました。ありがとうございます。

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