ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

小山安徳
医療法人社団 パラシオン歯科医院 理事、診療医長

小山安徳KOYAMA YASUNORI

1989年3月 東京歯科大学卒業
1989年5月 三井生命保険相互会社 入社 歯科診療所
2009年7月 博士(歯学)の学位受領(東京歯科大学)
2015年3月 三井生命保険そうご株式会社 歯科診療所廃止に伴い退職 
2016年4月 パラシオン歯科医院 勤務 診療医長
2019年4月 東京歯科大学 非常勤講師
2019年4月 医療法人社団 徳昌会 設立

2021年2月5日(金)

ゲスト小山安徳

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、医療法人社団 パラシオン歯科医院の理事で、診療医長の小山安徳さんです。

宮藤:パラシオン歯科医院さんは埼玉県越谷市にあるそうですが、どんな特徴をもった歯医者さんなんでしょうか?

小山:地域に根差した歯科診療を行っていて、口腔環境について、一般の人に最新の正しい情報を手に入れてもらうために頑張っています。

宮藤:小山さんは、もともと歯医者さんではなく、生物学者になりたかったんですか?

小山:うちの父親が歯科医師だったんですが、そうではなく、生物学者になりたいなと。ただ、うちの父の友人が大学の教授だったんですが、その方と会うセッティングをしてもらって話を聞いてみたら、「なった職業によって、世の中の見方って変わっちゃうよ」と言われて。生物学者と言っても、進化論を研究する人は、時系列で世の中を遡って見ていく人になるし、顕微鏡をずっと見て細かいことを考えていく人もいるし。あなたのお父さんは歯医者だけど、歯医者って人と関わることができるし、もし歯科医師になって、そのあと生物学者になったら、あなたのオリジナルとして、これから世の中の役に立てて面白いんじゃないの?と。

宮藤:深いですね。

小山:そのときは高校生だったのでよくわからなかったんですが、まずは歯科医師になってみて、そのあと、自分の見方が確立したところで、違うこともできるかな?と思いました。

宮藤:ところで、僕にとって歯医者は、悪くならないと行かないんですよね。普段から行かなきゃとは思っていますが。

小山:そういう人は、だいたい歯医者さん嫌いなんですよね(笑)

宮藤:まぁ…(笑)嫌いではないんですけど、よほどのことが無ければ行かない。

小山:そういう人、多いです。逆に、痛い経験がない人は、小さいころから、歯医者に行くのが当然の人。美容院に行くのと同じような感覚で来ていて、痛い治療をされたことがない。

宮藤:そうですね。行かない人が、痛い思いをする。定期的に行っていれば、痛い思いをしないで済む。

小山:そこに気付いていただきたいんですが、それがなかなか伝わらない!

宮藤:なんかすみません!以前、歯科医師の方にお話を伺ったことがあるんですが、「歯医者さんは、行くのが嫌!と思われる…」と悩みを話してました。

小山:嫌われるというのは確かにあるんですが、歯医者さんが嫌いというより、歯の治療が嫌いなんだと思うんです。治療を受けていない人は、嫌いじゃないと思うので。ただ、治療が必要な場面は出てきますから。歯科界で、治療技術をあげるとか、最新医療・テクノロジーを使って、怖くない・痛くない治療を目指すのも必要です。嫌われない方法を模索するなら、皆さんが、治療しないといけなくなる前に接してくれると…

宮藤:嫌われないですよね。

小山:予防でクリーニングしましょうとか。そういう段階で来てくれたら、気持ちよくなって帰ってもらえるので。

宮藤:そんな小山さんが思う、業界が抱えている問題点を教えて下さい。

小山:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、コロナ禍での通院控えによって、コロナ虫歯が増えているんです。

宮藤:歯医者さんに行かなくなっちゃって、虫歯が増えていると。

小山:ここ数十年、治療から予防にシフトするように、歯科界が変わってきています。なので、行くの嫌だな…と思っている人は少なくなってきて、予防で来る人が増えてきています。そうすると、それは、自分で行こうと思って行動しているので、抑制も自分でできてしまう。

宮藤:そうか!痛くなったら行かなきゃしょうがないけど、予防なら控えられちゃいますね。

小山:実際、去年4月ごろにアメリカの新聞ニューヨークタイムズ紙の記事が基になり、歯科医師が職業の中で一番危ないと報道されたんです。口をあけて、飛沫がとんで。それがテレビで報道されて、一気に歯医者さんに来なくなりました。ただ、歯科・医科含めて、外来でクラスターが出た事例って、今だにないんです。入院施設でクラスターが出たことはありますが、歯科医院ではないんですよね。コロナの前から、感染症に関する対策はシビアに言われていて。器具も全員取り換えして、滅菌して。いろいろと対応してきているので、どこの医院も対策はできてる。だから、この結果になっているんだと思います。

宮藤:小山さんは、そういう正しい情報発信をされていると。他にも、業界全体で変えていきたい問題があるそうですね?

小山:歯科業界は女性に助けられている業界です。歯科衛生士さん、アシスタントさん、受付さん、女性が多いです。ただ、その人たちがずっと1つの医院で勤め上げられるかというと、難しいようなんです。ですので、うちとしては、一生涯勤めてもらえるような環境を整備していきたいと思っています。

宮藤:そうなんですね。

小山:あと、患者さんのこともあります。1つの歯医者に長く通っていても、年をとって介護で通えないとか。今までは来れたけど、来れなくなった人はどうするの?というときに、訪問で対応するとか。医院1つ1つでやれば良い。寝たきりになったら、誰が口の中を見てくれるの?という不安を払拭できるような場所を作りたいですね。

宮藤:訪問の診療もやってるんですか?

小山:やっています。多いんですよ。

宮藤:へぇー!1軒1軒行ってたら、大変ですよね!?

小山:大変ですけど、一生涯ちゃんと管理できる状況を作りたい。来たら見るけど、来れなくなったら見ないよ!というのは、僕の職場の考えとしては、違うよね…と。

宮藤:難しいのが、いい歯医者さんの情報って、すごく飛び交うんですよ。「あそこいいらしいよ!」って。でも、途中で変えたら、今まで通ってきたところにも悪い。

小山:「いい歯医者」「いい〇〇」というのは客観性がないので、僕は、宮藤さんが今まで通っていたところに行って、ずっと看てもらう方が後悔はないと思います。よほど合わないなら考えればいいと思いますが。ですので、「是非パラシオンに!」とは言わないです(笑)来ていただければ、もちろん嬉しいですが…。

宮藤:ありがとうございます(笑)

アーカイブ