ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

中村伸人
スポーツコミュニティ株式会社 代表取締役

中村伸人NAKAMURA NOBUTO

1974年生まれ、神奈川県出身。
学生時代体操競技で全国大会などにも出場。
大学院修了後、スポーツ専門学校の教員となり、学生募集をする広報担当として入社当時200人だった学生数を3年間で1200人に増やした経験を持つ。
2002年、スポーツコミュニティ株式会社設立。
体操教室で全国展開を続ける。

2020年10月2日(金)

ゲスト中村伸人

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、スポーツコミュニティ株式会社 代表取締役の中村伸人さんです。

宮藤:中村さんは、1974年生まれ。僕より4つ下ですね!学生時代には体操で全国大会に進出されたそうで。

中村:そうですね。小さい頃からずっと体操をやっていました。

宮藤:なぜ体操をやろうと思ったんですか?

中村:もともと両親が体操をやっていまして、体操一家みたいな感じで。

宮藤:体操一家!自分の意思ではなくて?

中村:両親が学校の先生もやってたので、部活動に遊びに行く感じで、自然に体操をやるようになっていました。

宮藤:そして、中村さんは大学院を出た後、スポーツ専門学校の教員を経て、2002年スポーツコミュニティ株式会社を設立。体操教室で全国展開を続けてらっしゃると。スポーツコミュニティ株式会社は、そもそもどういうことをされている会社なんですか?

中村:簡単に言いますと、日本の体操教室で最大級の会員数を保有しておりまして、特徴としては自社の施設を全く持ってないんです。

宮藤:そんな事業をやっている中で、「業界のこんなところを変えていきたい!」と思うこと、あったら教えてください。

中村:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、日本の部活がもう…ダメなんですよね。

宮藤:日本の部活がダメ!?

中村:最近巷でも言われてきた「ブラック部活」というような。

宮藤:ブラック部活。我々の世代はそれが当たり前だと、どこか思っていますけど…。

中村:そうですよね。まず、部活動をするのが当たり前!という世の中だったと思うんですけど。

宮藤:何部かに入らないと怒られていましたよね。

中村:それが、今はもう、部活動自体の種類が少なくなってきて、先生もサラリーマン化しているので。土日に部活やりたくないよ!とか。

宮藤:それは先生が言うんですか?

中村:はい。

宮藤:僕、娘が卓球部なんですけど、顧問の先生は誰も卓球ができないんです。マズイですよね。でもそれが生徒にバレていて、「あの人に言われたくない!」となってしまう。前に、「このトレーニング、何のトレーニングですか?」って聞いたら、「ラグビーのトレーニングだ」って言われて。「私、卓球部に入ったのに!」って言ってて!大丈夫かな?って思ってました(笑)

中村:そういうことだと思います(笑)

宮藤:国語の先生がサッカーを教えるとか。昔からそうですよね。僕もバスケ部でしたけど、顧問は英語の先生だった。別に体育の先生じゃないことに、疑問を持たなかったですね。

中村:それが日本のスポーツの土壌を作った1つの原因というか。発展・普及はすごくしてきたと思うんですが…。高度経済成長で、子どもの数も多い中、部活動って例えば、精神を鍛えるとか、更生させるとか、そういう面もあったと思うんです。でも今は少子化になって、部活動も、無理にやるとか、そういうところがミスマッチになってきてるのかなと。

宮藤:え!?

中村:スポーツ施設をお借りして、そこで教室展開をしていくビジネスモデルなんです。

宮藤:市とか町の体育館を使ってやっていると。

中村:そうです。

宮藤:そこを借りて、体操したい人を集めて、教えてるってことですか?

中村:そうですね。例えば「毎週水曜5時~7時はここの場所でやってるよ!」と固定して、会員さんを集めています。

宮藤:それを、どう改善していこうとしているんですか?

中村:まず、学校の先生もやっぱり土日休みたいじゃないですか。

宮藤:そうですね!

中村:あと、やったことがないのに「卓球を教えろ」と言われても、「僕ラグビーしかやってません…」みたいなことも、しょうがない。

宮藤:責めるのもかわいそうだと思いますよね。

中村:ということで、私達のような民間のスポーツ会社が教える機会があればいい。今、学校の先生って、部活動はボランティアなんですよね。一切、お金が出ていない。

宮藤:そうなんですよね。だから強く出られない…というのもありますよね。

中村:そうですね。それで、私達も「ボランティアでやります」というと、民間会社としてやっていけないので、1つのパラダイムシフトとして、例えばオンラインで教える。対面だと30人とかが限界ですよね。それがオンラインだと定員の概念が消えていくので、全国の部活を1人の先生が教えられるんじゃないかと。

宮藤:うぉ~、なるほど。

中村:だから、卓球の先生は卓球を教えられる、というようなところに持っていきたいんですよね。

宮藤:全国の学校の卓球部に、卓球の専門家が1人つくっていうことだ!いいですね。それが成立して有効に働いたらいいですよね。

中村:そうですね。実際の対面で、先生1対生徒30だと収益になりませんが、1対300とか1対500になると、企業もやっていける。そういう意味では、オンラインに変わっていくと、部活も変わってくる可能性はありますよね。

宮藤:それは、学校がお金払って雇うということですか?

中村:これは両方。受益者負担で、月500円でもいいから、卓球部、部費とっていいよ!でもいいと思いますし。今、文科省に予算をつけてっていうのはなかなか難しそうなので、受益者負担でやっていくスタイルの方がいいのかなと思います。

宮藤:あとは、中村さんは世界展開も考えてらっしゃるそうで。ここでもう1つ、事業のポイントがあるということですね?

中村:はい。今、日本で全国展開をしていて、あと3年ぐらいで全国にそれぞれ出し終えそうなんです。今は、台湾に同じビジネスモデルを持って行って、台湾でも体操教室をやり始めてます。

宮藤:そうなんですか。

中村:ただ台湾は、指導者の人材バンクと考えていて、最終的には中国に行きたいんです、本丸は。

宮藤:なるほど。

中村:私達も中国語を扱えないので、台湾の人たちをまず教育して、中国に指導員をドンと!教室展開を進めていきたいなと。

宮藤:中国にも部活ってあるんですか?

中村:部活は一応ありますが、日本みたいにガッツリやる部活はないんです。

宮藤:日本の部活って…精神を鍛えるというのもあるんだろうけど、なんでしょうね。何かを学んではいましたよね。

中村:そうですね、技術以外のことを学んでいたと思うんですね。友達とか、授業以外のコミュニティとして必要だと思うんですけど。

宮藤:例えば日本の柔道とか、礼に始まり礼に終わるみたいな考え方って、台湾や中国にはあるんですか?

中村:日本独自の文化だと思っています。日本で生まれた相撲とか剣道とか、全部「道」がついてるじゃないですか。書道も華道もそうなんですけど。だから技術だけ教えるっていうより、生き様を教えるような、日本独特の感覚が、日本のスポーツにはあって。それが世界に行くと、「どうして練習が始まる前に挨拶するの?」となってしまうので。

宮藤:そうなんですか!

中村:まず指導者に感謝しようとか、場所に感謝しようというところから教えていかないと。

宮藤:なるほど。あと、最近は新型コロナウィルスの影響もあって、大変だと思うんですけど?

中村:そうですね、私達も対面でやるスポーツなので、もろに影響を受けていて。3月から5月ぐらいは休業だったんです。

宮藤:部活もジムも、そうですよね。

中村:私も4月ぐらいから緊急事態宣言が出て仕事が止まってる中で、何か世界がコロナ大喜利を始めてんのかなっていうぐらい、ビジネス界でも、エンタメ界でも、どうやったら生き残れるの?どうやればモビリティを止めないでなんとかできるの?みたいな。頭のいい大人がみんなディスカッションしてるのがすごく勉強になる。独特の考え方をして乗り切ろう!みたいな。それは今、楽しいというと不謹慎ですが、すごく勉強になるなと思いますね。

宮藤:今までのやり方では通用しない。新しい何かを、それぞれの業界でそれぞれの方たちが、確かに考えていましたよね。集まれないんだったらこういうドラマを作ろうとか、芝居ができないんだったらこういうことやろうとか。それぞれ生き抜くための、本当に大喜利みたいな状態でしたよね。で、今、教室はどうですか?

中村:今はだいぶ戻ってきまして、8割ぐらい会員さんは戻ってきています。子どもがそんなに重症化しないというエビデンスも出始めているからか。子どもの習い事系は、9月10月で戻ってきているなという感覚はありますね。

宮藤:いろいろと勉強になりました。ありがとうございました!

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