ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

岡本恵典
株式会社Synergy Career 代表取締役

岡本恵典OKAMOTO KEISUKE

2015年 大阪府立大学大学院 理学系研究科 卒業
2015年 株式会社イノベーション 入社
2016年 独立(屋号:EndCyc.)
2018年 新卒学生向けWebメディア「就活の教科書」立ち上げ
2020年 株式会社Synergy Career創業

2021年7月30日(金)

ゲスト岡本恵典

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、株式会社Synergy Career 代表取締役 岡本恵典さんです。

宮藤:事業内容を教えていただけますでしょうか?

岡本:僕たちは、学生に向けて就職活動の情報発信をしています。メインは、「就活の教科書」というWebサイトを運営しています。大学生が中心に見ているサイトで、だいたい月間のアクセスが200万ほどありまして。

宮藤:月の!?すごいですね。

岡本:学生数で言うと、月に30万~50万人ぐらいの就活生が目にしているサイトになりますね。加えて、動画もいろいろ作っていまして、YouTubeチャンネルやTikTokも作っていまして。TikTokが今一番ウケていて、フォロワーが3万人ぐらいになっています。

宮藤:すごいな。では早速ですが、岡本さんが「業界の、ここが問題だ」と思うところを教えていただけますでしょうか?

岡本:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、就活の情報が無数に出回りすぎていて、どの情報が正しいかを学生が判断できなくなっているのが大きな問題ですね。

宮藤:情報って、そんなにいっぱいあるんですか?

岡本:めちゃめちゃありますね。最近は特にYouTubeとかTwitterとか各種SNSでの情報が全部ある状態で。

宮藤:それは誰がやってるんですか?大手の会社も?

岡本:大手の会社も全部やってますし、就活のインフルエンサーと言われる人たちが就活の情報を届けたり、「就活生に役立ちたい」というお人好しな先輩が「こんなふうにやったほうがいいよ」とTwitterで流したりとか。就活生が欲しい情報量を圧倒的に超えていて。

宮藤:ああ…そうなんだ。

岡本:結局、「どれがいいのかわからん」という感じで。「情報はあるけど、ようわからん」「就活ムズい」ってなっている感じですね。

宮藤:昔は自分の大学のOBの方が教えてくれたりとか、情報ってそんなになかったですよね。

岡本:そうですね。昔は自分で情報を取りに行くって感じだったんですけど、今は勝手に流れてくるんですよね。Twitter見れば流れてくるし。

宮藤:うわー。

岡本:そこから選んでいく。

宮藤:学生からしたら不安になること多いんじゃないですか?

岡本:不安にしかならないですよね。普通の学生なのに、高学歴の学生のツイートを見て「内定取ったで~」みたいに言われて落ち込むとか。逆に、就活していない人のツイート見て「就活、楽勝っしょ」って言われて、「大丈夫なのかな…?」みたいな。その間、「どっちなん?」みたいな。

宮藤:やってない人の情報も、やっている人の情報も入ってくるんですね。岡本さんが運営している「就活の教科書」は、その辺をどう差別化しているんですか?

岡本:僕たちは、就活が終わった内定者と、就活生が記事を書くようにしているんです。そういう人が「実際、今年は就活こうでしたよ」って経験をもとに、プラスαで他社の情報も合わせて、なるべく網羅的に客観的にまとめる。就活の正解、教科書のようなサイトを作りたいと思っています。

宮藤:現役の学生さんが記事を書いている?

岡本:そうですね。大学生が23人ぐらい。

宮藤:そうなると、書き手を選ぶのも大事になってきますよね。

岡本:そうですね。公募して、100人単位で応募が来るので、面接もして。

宮藤:えっ!?それは、「書きたい」っていう人が?

岡本:そうです。

宮藤:「就活に関して書きたい」という人が100人単位で来るんですか!?

岡本:来ます。副業のブームなのかわからないですけど、「自分の力で稼ぎたい」という人が増えていて。その中でパッと思いつくのが「文章かな」「ブログかな」みたいな感じで応募が結構来ますね。

宮藤:事前アンケートに書いてありますけど、岡本さんは2015年に大学を卒業して、2018年に「就活の教科書」を立ち上げたと。ご自身も就職活動されたんですよね?

岡本:しました。

宮藤:それで就職して。で、辞めたんですか?その会社は。

岡本:その会社は9か月で辞めちゃったんですね。一瞬で辞めちゃって…。

宮藤:向いてない会社だったんですか?

岡本:難しいですよね。向いてなかったわけじゃないですけど、自分のやりたいことがはっきりしていない中で上司と結構揉めたりとか。

宮藤:ああ。

岡本:自分の強みが活きない仕事だったし、頑張りたい気持ちはあるけど頑張れないし、成果も出ないし、怒られるし。「何やってるんだろう…」と。それでよくある感じで辞めちゃったんですね。

宮藤:じゃ、「自分と同じ失敗をしてほしくない」っていうのもあるんですか?

岡本:あります。特に、やりたくないこととか苦手なことを考えずに就活しちゃうんですね、みんな。「大きい会社」「聞いたことある会社」でやっちゃって、入ったら入ったでいいんだけど、やったら「やっぱり違う」みたいな。

宮藤:確かにそうですね。まだ社会に出たことがない人たちなわけですから、向いてるか向いてないかわからないですよね。

岡本:一発で大正解する必要はないんですけど、いったん会社に入って「ここ違ったから修正しよう」ってなったら、すごくいいと思うんですが、それすら合っていない学生が多い。やっぱり情報に惑わされ過ぎていて。「これからは何々がくるぞ」とか「ネットの時代だぜ」みたいな感じで就職活動をして、「違った」っていう学生が多いので。そういう情報をちゃんとまとめてやっていこうってことで、このサイトを作ったという流れですね。

宮藤:そして、岡本さんの会社は今完全に在宅ワークなんですね。じゃ、オフィスは無いんですか?

岡本:オフィスは一応あるんです、僕一人の席が。他の20人の大学生はみんな家です。

宮藤:どうですか、完全在宅ワークは。メリットとデメリットはどっちが大きいですか?

岡本:圧倒的にメリットのほうが大きいです。家賃がかからないとか交通費がかからないのはもちろんプラスなんですけど、管理しやすいというのがあって。Zoomとかだと雑談が弾まないんですよね。

宮藤:弾まない。うんうん。

岡本:「弾ませよう」って本が出るぐらい弾まなくて。うちはずっとZoom繋ぎながら仕事していて。だから、仕事中のスタッフの顔だけ映ってるんですけど、全然雑談が弾まないのでずっと仕事してるんですね(笑)

宮藤:ああ。なるほどね(笑)無駄話がないってことだ。

岡本:そういう意味では、効率はすごくいいですね。

宮藤:Zoomの会議って確かに短いですよね。で、短くて結構決まりますよね、物事が。

岡本:そうですね。会議だったら1時間かかるのに、Zoomだと15分で終わって「じゃ、そんな感じで」みたいなところが多いと思うんですよね。

宮藤:なるほど。デメリットは何かありますか?

岡本:先程の雑談の話でいうと、仲良くなれないですよね。

宮藤:まあね…。

岡本:実際には会ったことない人も結構いるので、会社で働き続けてもらうとか、頑張ってもらうために「今まで一緒にやってきたやん」とか、「仲良しじゃん」みたいな感じでやれなくて。メリットとか、自分の身につくスキルをちゃんと提示してあげないと続けてくれない。ある意味わかりやすいんですけどね。

宮藤:甘えが通用しないってことだ。

岡本:そうですね。辞める時は理由もわからず辞めちゃうんです。言ってくれないとか。「誰にも相談できない」みたいな感じで。

宮藤:新しいですね。

岡本:それぞれわかりやすくていいですね。よく言う「サボってるんじゃないか」とも思うんですけど、管理のエクセルシートを作って「週1でどれだけやりました」っていう話と「どれだけ時間入りました」というのを報告してもらっていて。明らかにサボったらさすがにバレますし。

宮藤:そうですね。

岡本:成果さえ出していれば、ちょっとぐらいサボってもらってもいいっちゃいいんで。

宮藤:やることだけやっていればね。

岡本:そうです。成果で管理できているんで、意外と悪くない。普通の会社も、なんだかんだ「タバコ吸いに行くわ」って言ってサボったりとか、営業の途中でどこかにフラっと入ったりすると思うので。そのぐらいのレベルなのかなと。

宮藤:まあそうか。

岡本:意外とデメリットは少なくて、メリット盛りだくさんで。コロナが終息しても、ずっと在宅ワークでやっていこうかなと思っています。

宮藤:最後に、今後の野望はありますでしょうか?

岡本:僕たちのサイト「就活の教科書」を、日本一検索されるサイトにしたいと思っています。アクセスは増えているんですけど、就活生がまだ認知していないんですよね。Googleで検索して引っかかって見るけど、このサイトがどこなのかわかってない。そうじゃなくて、将来的には友達同士で「就活よくわからないんだよね」っていった時に「じゃ、『就活の教科書』見ればいいじゃん」みたいな。

宮藤:なるほど。

岡本:たまたま通る場所じゃなくて、目的として僕らのサイトを使ってもらいたいと思っています。

宮藤:既に今でも「就活生の2人に1人が検索するまでに成長した」ということですが、これってすごいことですよね。

岡本:そうですね。見てくれているんですけど、知ってはいないんですね。

宮藤:へえ。

岡本:それが大きな課題です。最近は、YouTubeやTikTokを頑張ってやっていて、知ってもらって、名前を覚えてもらいたいですね。

宮藤:「就活の教科書」ですもんね。シンプルだし、信用できる感じが。

岡本:はい。ぜひ検索してみてもらいたいと思いますね。

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