ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

佐藤隼人SATO HAYATO
1982年、愛知県生まれ。
専門学校卒業後、トヨタのエンジン開発部に就職。
その後、販売を学ぶため中古車屋に転職。
2015年株式会社ファルコン設立。
ゲスト佐藤隼人
TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。
日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。
お迎えしたのは、株式会社ファルコン 代表取締役 佐藤隼人さんです。

宮藤:ファルコンさんは、岡山にあるんですね。どんな会社でしょうか?
佐藤:車の整備をしたり、販売したり。あと、車の保険をやらせていただいています。会社にしてはまだ短くて2年ぐらいなんですけど、この車屋さん自体は7年ぐらいやっています。
宮藤:車は必需品ですよね。僕は、あまりこだわりは…ないですけど、無いと困るので乗っています。早速ですが、佐藤さんが思う、「ここを変えたい!」「もっとこうなってほしい!」と思うことを教えてください。
佐藤:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、若い方の車離れが、とても残念に思っているんですよ。
宮藤:車離れ。僕らの頃は、ちょっとお金貯まったらすぐ車でしたけどね。
佐藤:そうですよね。
宮藤:高校卒業した時に、必要ないのに免許取りに行きましたもんね。東京で車に乗ったのはずいぶん後ですけど。「まず免許」、当時はそういう文化でしたけど、今はそういうことはないんですか?
佐藤:今は、みなさん「車がいらない」って言ってます。
宮藤:東京はわかるんですけど、岡山でも?
佐藤:岡山でも、若い方は「いらない」って言ってます。
宮藤:移動はどうしてるんですか?
佐藤:親に乗せていってもらうような感じで。
宮藤:親は必要なんですね(笑)親には車は必要だけど、自分はいらないっていう。
佐藤:そうです(笑)
宮藤:それちょっとヤバいですね。でも、岡山は車で走ったら気持ちよさそうな道いっぱいあるじゃないですか。
佐藤:はい。山と海で。
宮藤:橋を渡ったら四国にも行けるし。でも、運転したくないんですか?
佐藤:みなさん「運転したくない」って言いますね。
宮藤:じゃぁ、今すごく大変ですね。佐藤さんはもともと車が好きだったんですか?
佐藤:すごく好きでした。
宮藤:佐藤さんが考える、「車の面白さ」ってなんですか?
佐藤:多少変わってしまったんですけど、自分が好きな形を変えたりすることが面白かったですね。昔は改造もできたんですけど、今はなかなかね。法律もあるので。
宮藤:そうか、それも今は厳しいか。
佐藤:排気ガスとか、マフラーの大きい音とかたてられないので。
宮藤:そうすると、車にお金をかけるっていう考え方もなかなかですよね。
佐藤:そうなんですよ。車に乗るとしても、「あれが欲しい」っていうのがないんですよね。そして、社会人になりたての若い頃はお金も無いので、みんな同じになっちゃうというか。
宮藤:「人と違う車に乗りたい」って考え方じゃないんだ。もう、環境にやさしくて燃費がいいとかってなると、だいたい決まってきますよね。
佐藤:はい。僕らの頃は、彼女が欲しいから車がないと…って思ってましたけど。
宮藤:じゃぁまず、女の子に車好きになってもらうことですかね(笑)
佐藤:でも今は、「経済的にちゃんとしている男性がかっこいい」といった感じなので。
宮藤:ああ、車にお金かけないで?
佐藤:はい。燃費のいい車で、軽四とかに乗って経済支えると。
宮藤:「なるべくガソリンも入れない」みたいな。
佐藤:そうですね(笑)

宮藤:難しいですね。でも車って、東京みたいにいろいろとあるわけじゃない場所だと、友達同士でどこかに行ったり、「夜、海に行こうか」っていう時に「誰が車出す?」とか、そういうのが楽しかったんですけどね。今はもう、商売大変ですね。
佐藤:そうですね。特にコロナ禍で、外出も少ないし、まさにいらないんです。
宮藤:でも、親世代は乗ってるんですよね?
佐藤:全然乗ってます。
宮藤:結構東京だと、珍しい車走ってたりしますけどね。
佐藤:古い車に乗るほど、たぶん維持するお金がかかってくる現状になってきてるんです。
宮藤:クラッシックカーとか、いい車とか?
佐藤:古くなればなるほど、税金が上がっていくんです。
宮藤:そうか…。そして、意外に知られていないと思う社長の苦労について。事前アンケートで「孤独が押し寄せてくる時がある」というコメントがあったんですけど、もう少し詳しく教えてもらえますか?
佐藤:恥ずかしいことなんですけど、社長さんっていう形で同じ立場で相談できる方って、なかなかいないですよね。宮藤さんと同じ立場の人で、全く同じような方っていらっしゃらないと思うんですよ。
宮藤:そうですね。そして、同業者ってなかなか繋がりがないですよね。
佐藤:ライバルなんで。
宮藤:そうですよね。社員は今どれぐらいいるんですか?
佐藤:社員は3人で、アルバイト1人で。
宮藤:社員には言えないですもんね。お金のこととか。
佐藤:そうなんですよ、特にお金の話は。何か悩みがあるとき、宮藤さんはどうされていらっしゃるんですか?
宮藤:えっ。僕は人には相談しないですね。
佐藤:それこそ、ドライブですか!?
宮藤:例えばTBSに車で来ると、リフレッシュできますよね。電車に乗るとやっぱりストレスたまるし。僕は、コロナ禍で電車に乗る回数は減って、車通勤が増えましたよ。
佐藤:密閉の一人で乗る空間だから、安心ですよね。
宮藤:車で行って何するわけじゃないけど、電車で出かけたらすぐに飲みに行っちゃったりするから。車で行くと、「車なんで!」って帰れるっていうのもあるし(笑)「銭湯寄っていこう」「サウナ寄っていこう」「何か買い物していこう」っていう時に便利ですけどね。今、一所懸命車のメリットを僕しゃべってますけど(笑)
佐藤:まず車に興味ないと、レースを見に行くとか、モーターショーに行くとか、改造した車を見に行くといったことに発展すらしないのでね。
宮藤:そうですよね。かっこいい車はいっぱいあるけど、「環境にやさしい」とか「燃費が」っていうほうに、開発が進んでいるんですもんね。環境にやさしい上にかっこいい車を作らなきゃいけないですね。
佐藤:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいな。
宮藤:まとまりました(笑)ありがとうございました。
佐藤:ありがとうございました。
