ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

牛島郷介
U&T vessel 法律事務所 代表弁護士

牛島郷介

2013年3月 上智大学大学院修了
2013年9月 司法試験合格・同時期、出版社に就職
2016年1月 弁護士登録 都内法律事務所入所
2018年6月 独立開業

芸能人・プロアスリートからの依頼を多数抱え現在に至る。

2021年1月15日(金)

ゲスト牛島郷介

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、U&Tvessel法律事務所 代表弁護士 牛島郷介さんです。

宮藤:U&T vessel法律事務所は、どんな特徴があるのでしょうか?

牛島:主にインターネットのトラブルですとか、芸能人の方の契約トラブルとか。他にも、一般民事、労働事件、刑事事件など、色んな案件を扱っています。

宮藤:インターネットのトラブルは、今増えてるのでは?誹謗中傷みたいなことが。

牛島:そうですね。誹謗中傷のトラブルが多いですね。

宮藤:「こういう書き込みをされたんだけど、訴えられないのか?」とか?

牛島:そうですね。

宮藤:あれって訴えられるんですか?

牛島:訴えられます。

宮藤:本当ですか!? 僕、結構あります(笑)4つか5つぐらい訴えたいなって思って黙って泣き寝入り、本当にただ酒の量が増えるだけっていうやつがありますけど…。訴えられるんですか!

牛島:はい。ちゃんと書いた人を特定して。

宮藤:なんか変な名前なんですよ、全部。「絶対これ本名じゃないだろう」みたいな。特定できるんですか?

牛島:できます。

宮藤:あぁ、そうですか! じゃ、ちょっと…(笑)

牛島:込み入った話は、じゃああとで…(笑)

宮藤:そういう相談は、書いた方、書かれた方、どっちから相談があるんですか?

牛島:どっちも多いです。書かれた方だと、例えば、「いろんな女性と遊んで、女性を傷つけている」っていう嘘を書かれたり。あとは、「薬物を使っている」とか。自分が名指しで「あの人は薬物を使ってるんだ」と書かれたら、それが事実に反していれば、当然訴えることができます。

宮藤:ですよね。やってなければ言えますもんね。

牛島:ものによっては、事実だとしても訴えることが可能なものもあります。

宮藤:どちらにしても、こっち側としてはそれを大ごとにしちゃうと、結局その情報も一緒に出ちゃうじゃないですか。薬物やってるんじゃないかっていう噂も広まっちゃうじゃないですか。だから、なるべく火事の広がりを少なくしようとして黙るしかないっていう感じだと思うんですよね。

牛島:そうなんですよ。そういう風に、泣き寝入りしてしまう方も多いとは思います。そこは、かなり今抱えている問題の中で重要な部分だと思います。

宮藤:そういう時、どういうアドバイスをするんですか?

牛島:「私どもがやりましょう」と。「これは犯罪だし許せないので、本当にこれで心が病んでしまうとか、苦しい想いをされているんだったら、もう裁判手続きを取って、しっかりと法律に基づく責任を追及をしましょう」と。

宮藤:「書いてしまった」っていう相談も来るんですか?

牛島:来ます。書かれた人が、「犯人は誰だ」っていう裁判をするわけですが、そうすると書いた端末の会社… 例えば携帯会社とかパソコン会社とかから「今、あなたはこういう裁判を起こされてますよ」っていう通知が来るんですよ。そうすると、「やばい、自分は何か責任追及されるんじゃないか」と驚いて、「どうしたらいいですか?」っていう相談が来ることはあります。

宮藤:うわー。弁護士さんって逆のこともやらなきゃいけないから大変ですね。「訴えろ」っていう仕事もあれば、「訴えられたんですけど」っていう時に、「大丈夫だ、大丈夫だ」というか。「ちゃんと真摯に向き合ってください」とかっていうアドバイスをするってことだ。

牛島:はい。書いた内容がひどければ、「これはもう謝りましょう」と。「もしかしたら慰謝料を請求されるかもしれないけど、適正な金額を支払ってちゃんと謝罪しましょう」とアドバイスすることもあるし、ものによっては「いや、これは表現として許されるから、戦ってもいいんじゃないですか?」という場合もあります。

宮藤:やっぱり溜飲が下がるんですかね、書き込むことで。スッキリするというか。

牛島:私もその心理を知りたいんですよね。なんで書くの? っていうのを。私も書かれているんですよ。たくさん。

宮藤:「あの弁護士は…」って?

牛島:そうです。事件の相手方ですね。前に書かれたやつは刑事告訴まで全部やったんですけど、あまりにしつこいと「なんでここまでしつこいのかな?」って思いますよね。

宮藤:それでは、意外と知られていない、経営の苦労を教えていただけますでしょうか。

牛島:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、弁護士自体、独立した考え方を持っていることが多いので、組織として動いていくことがすごく難しいですね。

宮藤:弁護士を何人も抱えてっていう?

牛島:そうです。基本的には一丸となっていけるんですけど、それぞれ弁護士が独立して、「自分はこういう弁護士でいたい」という像があると、なかなか方向が合わない時がありますね。

宮藤:そもそもやっぱり所属した方がいいんですか? どこかには。

牛島:一人でやっている方もたくさんいらっしゃいます。例えば、弁護士になってすぐの時は、勉強するためにどこかの事務所に入ることは、みなさんがやっていることだと思います。

宮藤:それは、芸能事務所に芸能人が所属するような感じの?

牛島:そうだと思います。

宮藤:よく、仕事の色んな案件がきた時に「じゃ、うちからこの人が向いているんじゃないか」とか。

牛島:そうですね。あとは、その弁護士自身が外から仕事をとってくることもあります。

宮藤:なるほどね。牛島さんは、今何人も抱えているんですか?

牛島:今、私を含めて5人です。

宮藤:経営者でもあり、自分も弁護士でもあるってことですよね。

牛島:そうですね。プレイヤーはやっぱりやめられないですね。

宮藤:事前アンケートには、他にも「まだまだ敷居が高いと思われていると思うので、気軽に相談できる業種であることを伝えていきたい」とあるのですが、なかなか、気軽に弁護士さんに相談は、しづらいですよね。法廷に行かなきゃいけないのかって思っちゃうし。

牛島:法廷はほとんどないですけどね。私はもう周りがほとんど弁護士なので、こんなにいっぱい弁護士がいるのに敷居が高いなんてことがあるのか?っていつも思っているんですけど。お酒を飲む感覚で、相談していいと思うんですよね。

宮藤:今までどんな相談がありましたか?例えば、身近な相談っていうと、どんなものが?

牛島:近隣トラブルとかも、ご相談を受けることがあるんですけど。

宮藤:近所の。

牛島:例えば、「隣の家が猫に餌付けしちゃって、猫が繁殖して糞尿だらけになっちゃった」とか。

宮藤:あー! あるあるある。ポテトあげるんですよ、なんか知らないけど。

牛島:ポテト…?

宮藤:うちの近所にマクドナルドがあって、マクドナルドを食べながら歩いていると、ちょうど、うちなんですよ。ポテト食べながらうちの前に猫がいたら、ポテトをあげちゃうんです。そうすると、うちの前にいると猫がポテトもらえると思って来ちゃうっていう。

牛島:まさに、そういう問題も全然相談の範囲ですね。

宮藤:やめてくださいっていう程じゃないんだけど。

牛島:その時は、猫を捕獲してもらって、その後の手続きを任せて、あとは猫に傷つけられた車の傷の修理のお金とかをいただいて、話し合いで終わりましたけどね。

宮藤:へえ。なるほど、気軽な相談ってそういうやつなんですね。

牛島:全然そういうのでOKです。

宮藤:「その相談はちょっと…」と思うものも来るのでは?

牛島:これはでも本当に「弁護士に言うの?」っていう話だったんですけど、「念力を使って、クモとハチで攻撃されるんですけどどうしたらいいですか?」って相談がきたことはありますね。

宮藤:念力!?

牛島:虫の「蜘蛛」と、虫の「蜂」で。「念力を使われている」と…。

宮藤:さるかに合戦みたいな話ですね(笑)

牛島:そんな話ですよね。それに関しては、「ちょっと弁護士の仕事じゃないのでごめんなさい」って言ったことがあります。それは、本当にやめてほしいです(笑)

宮藤:それは、念力を使うのをですか? 念力の相談をしてくるのをですか?(笑)

牛島:念力の相談は、やめてほしいです(笑)

宮藤:なるほど。相談は、念力以外のことで!身近なことから、していきましょう。

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