ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

山口大介
株式会社Byuu 代表取締役

山口大介YAMAGUCHI DAISUKE

2006年 トランコム株式会社入社(現トランコムDS株式会社)
2015年 BIG UP(貨物軽個人事業主)創業
2019年 株式会社Byuu設立代表取締役就任

2020年11月13日(金)

ゲスト山口大介

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、株式会社Byuu 代表取締役 山口大介さんです。

宮藤:株式会社ビューは、去年、設立された会社なんですね。どういったことをしている会社なんですか?

山口:神奈川県厚木市を拠点に、神奈川県内で軽貨物の事業を展開しています。

宮藤:要するに、運送ということですか?軽貨物というと、重いのは運ばないということ?

山口:軽量ではなく、軽のバン。よく街中で黒いナンバーがついた車を見かけるかと思います。

宮藤:あ!車が軽ということですか!根本的に間違ってた!すみません!(笑) 働いているドライバーさんは、上は70歳から、下は19歳まで。広いですね。

山口:定年した方でも、運転ならできるよ!ということで、そこまで体に負担のない、お弁当の配送ですとか、30キロ、50キロの中距離を走って1件行ってもらうようなお仕事をやってもらっています。

宮藤:そして「顧客満足度の高いサービスを提供している」ということですね。

山口:よく、荷物が玄関の前に黙って置いてあるとか。指定した時間帯に持ってきてもらいたいのに早く持ってこられるとか。サービスとしては落ちてきている…というところはあります。そういうことのない、しっかりした対応を私たちは心掛けています。

宮藤:コロナ禍で、変化はありましたか?

山口:在宅率が上がったので、自宅にいる間、スマートフォンを片手にネットサーフィンをして、商品を購入される方が増えているなと思います。

宮藤:その分、仕事が増えているということですね。それでは、山口さんが感じている業界の問題点を教えて下さい。

山口:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、新規参入が多い業界ですが、免許があれば誰でもできる仕事ではありません!

宮藤:新規参入、多いんですね。ドライバー増えてるんだ。

山口:大手通販会社さんとか、すごく荷物が増えていますので、宝の山だ!と、参入して来られますね。

宮藤:新規参入が多いということは、質も、ピンキリですよね。免許があればできる仕事じゃないというのは?

山口:日常で近所を運転するなら、交通ルールに則って目的地まで行くことはできると思うんですが、100件・200件を回るので、地図を見る能力、なおかつ道路を挟んで右と左の両方を見て回らないといけないとか、ナビを使うにしてもピンポイントで目的地を指すならいいんですが、そうじゃない場合は番地を見ながら配らないといけないんですよ。

宮藤:運転が全てじゃないですね。運転は一部なんですね。

山口:一部ですね。全体の中で、車は、荷物を運ぶツールです。

宮藤:愛想が良いことも大事だったりしますよね。

山口:挨拶が大事ですし、笑顔も大事ですね。荷物に圧倒されて辛い顔をしたり、ボソボソしゃべるのは好まれない。意識すればできることです。

宮藤:運転・運送じゃなくて、人間性の問題ですね。

山口:そうですね。荷物の量に圧倒されてテンパっちゃって、自分が次にどこに行けばいいのかわからなくなったり、車両の荷台で荷物を探すときにどこに置いたかパニックになっちゃう人もいます。

宮藤:時間内に運ばなきゃいけないですしね。ドライバーの育成にも力を入れているということですが、意識の高いドライバーとそうじゃないドライバー、どんな違いが出てくるんですか?

山口:1人で配送に回るんですが、その1人がとった行動・言動で、仲間が全員職を失う可能性もあります。その意識が必要です。商品も、自分で買ったものならいいんですが、お客様の商品なので、乱雑に扱ってはいけない。配送に至る前の気持ちですね。

宮藤:確かにそうですね。

山口:売り上げも1個配っていくら…という業界ではありますが、やはり求人でも、良いことだけを書いてドライバーを集めている会社もあります。

宮藤:事前アンケートに書いてありますね。「1ヶ月で売上50万円以上稼ぐ人もいます!」といった表現があると。これ聞いたら「50万円稼げるんだ!」って思いますよね。

山口:そうほのめかして、入れ食い状態で人が来るわけですが、50万円に至るまではやはり、人間的なことも育成しないといけないし、配送の無駄もなくさないといけない。1日1ポイントずつでも成長していかなければ、これは見えてきません。今日100個だから、明日120個配ってみよう。そのためには何ができるだろうか?と。いろんなアドバイスを聞いてもらってやっと、そこに辿り着けます。

宮藤:向上心がないといけないですね。

山口:ここに至るのはなかなか難しい。改善のプロセスを企業側も提言してあげないといけないと思いますし、本人も、生半可な気持ちでは辿り着けません。

宮藤:アンケートに書いていただいた中で、「この仕事にプロとして誇りを持って、質の良いサービスができるドライバーをたくさん産み出し、将来の夢は軽貨物ドライバーになりたい!と子供たちに憧れを抱いてもらえるような業界にしたい」と。

山口:今まで、この業界に入りたいと言ってる子ども、聞いたことがないので…

宮藤:まぁ…脚本家になりたいっていう子供も見たことがないですね。

山口:そうですか!?

宮藤:憧れられてると思ったことは無いですね。でも、軽貨物事業って、今後どんどんニーズが増える業種ですもんね?

山口:限界が感じられないので、だからこそ、しっかりした意識を持つドライバーを育てて産み出していきたいですね。もちろん、配送の質が良くなれば、それに見合った対価も返ってきやすくなります。是非、プロとして、質の高いサービスをしている事業なんだということを打ち出していきたいです。

宮藤:人ですよね。なんか、すごく感じのいいドライバーさんがいたな~と思ったら、いつの間にか感じの悪い人に変わってたりしますからね!

山口:(笑)例えば、少々のミスがあっても、いつも気持ちよく配送してくれている人だったら、クレームも入れないですよね。

宮藤:そうですね!個人と個人の付き合いになって、許せるくらいの関係になっていれば。

山口:そういう関係性を築ける人ほど、クレームは起き辛い。

宮藤:そういう人が、50万円稼ぐ人なんですよね。

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