ビジネスシーンでイノベーションを起こしている経営者たちと、
クリエイティブの世界でイノベーションを起こしてきた宮藤官九郎との異業種対談企画。

今回のゲスト

横山一平
株式会社ワンフラット 代表取締役

横山一平YOKOYAMA IPPEI

2015年 C&C JAPAN設立 メキシコからアパレルブランドをインポートし販路を拡大
2018年 株式会社ワンフラット設立 代表取締役就任

2021年3月12日(金)

ゲスト横山一平

TBSラジオで放送中の「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。パーソナリティは、宮藤官九郎さん。

日本の経済を動かす経営者や団体の代表の方に、哲学や考えを聞きながら、知られざる業界の実情に迫っていく「Innovative Lounge」。

お迎えしたのは、株式会社ワンフラット 代表取締役 横山一平さんです。

宮藤:株式会社ワンフラットさんは、2018年に設立されたそうですが、どういったことをされているんですか?

横山:主に、血液とか細胞、治験薬といった医療関係の輸送と、EC=大手通販業者さんの宅配をやっています。

宮藤:運送業ですね。忙しいんじゃないですか。

横山:通販の需要が高まっていて、さらにコロナの影響で、こちらは人材不足ですね。

宮藤:しかも医療関係の輸送というと、コロナのワクチンを運んだりもするんですか?

横山:そういったお話もありますし、現に、コロナの検査の検体を、病院から検査センターに輸送したりもしています。

宮藤:PCR検査のとか?

横山:まさにそうです。

宮藤:めちゃめちゃ大事じゃないですか!そうですか。なぜそのような事業をやろうと思ったんですか?

横山:もともとはフリーランスで、海外の洋服ブランドとか、アパレル関係の輸入をしていました。たまたま、Amazon創業者のジェフ・ベゾスがフォーブス世界長者番付でビルゲイツを抜いたというニュースを見まして。僕はアナログで、ネットで買い物をしていなかったんですが、「そんなにすごいんだな…」と。さらに、配送している人たちと直接お会いすることがあって、すごく興味がわきました。もともと車が趣味で、乗り物が好きだったので、どういう車で運んでるんだろう?と気になって見るようになって。「あ、軽自動車で運んでるんだ、トラックじゃないんだ…」「軽だったら、すぐ買えるし、仲間を集めてやってみようかな」という軽い気持ちから入ったんです。いざ、自分でやってみると、これは大変だな…もっとこうならないのかな…という問題が多すぎて。

宮藤:自分で起業する人だから、目の付け所が全然違いますね。僕、そのニュースを知っても、何も感じないと思いますよ!

横山:そうですか(笑)

宮藤:「へぇ~…」で、その先いかないもん。

横山:正直、僕ら、もともと学歴もなくて。でも、こういう仕事ができそうだなとか、こういう仕事を求めてそうだなという仲間は多かったんです。これから伸びていくでしょうし、稼ぎやすくなっていくかなと。

宮藤:「ITを活用した物流ソリューションを提供して、世の中の物流インフラを支える企業となる!」というビジョン、すごいですね。僕は、発想がここにない。

横山:ちょっとかっこよく言い過ぎましたかね(笑)

宮藤:どんどん伸びる業界だと思いますが、横山さんが今、感じている問題点を教えてもらえますでしょうか。

横山:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、「ドライバーさんが荷物を届けたときに不在だった」ということが多すぎるんです。

宮藤:これはね、宮藤さんに言ってもしょうがなくないですよ!私、不在が多いないんです!

横山:(笑)

宮藤:帰ったら不在の紙があって、「じゃぁあとで届けて下さい!」って奥さんに託して出かけたら、奥さんも出かけちゃって、「また来たのにまたいない!」って、3回くらい繰り返すことあります。それは、露骨にダメージなんですか?

横山:…そうですね、宮藤さんじゃなかったらクレームいれたいくらい(笑)

宮藤:あぁ!

横山:僕もこの業界に入るまで、何回も再配達を依頼していたので。「明日ならいるかな?」って再配達の時間指定をして、時間指定したのに買い物に出ちゃって「あ!忘れてた!」とか。ドライバーさんからすると、1日100軒、200軒と配るんですね。

宮藤:う゛~。

横山:これはエンドユーザーさんからすると知り得ないので、そういう意識になってもしょうがないんですけど、ドライバーさんからすると、2時間ごとくらいに時間指定があるので。これはEC業者さんの過剰サービスだとも思うんですが、本当は午前・午後にしてほしいレベルです。

宮藤:運送業界が細かく決めたがっているのかと思ってました!細かく分類されてるから、どれか選ばないと…と。

横山:確かに、そう見えそうですね。午前中、12時~14時、14時~16時…とあって。例えば、お昼に巨大なマンションを回っていて、1軒1軒、まずインターホンで、いるかどうか確認しないといけないんです。

宮藤:オートロックの外ですか?

横山:はい。マンションの中に配達先が10軒あるとしたら、10軒全てインターホンを押さないといけません。いきなり、入れないはずの宅配員がドアのピンポンを押したら、「何で入ってきたんだ!?」ってクレームになったりするんです。

宮藤:「違う人に空けてもらったんです」と言ってもね…。なるほど。

横山:インターホンを押す、在宅確認する、中に入る。でも、最後のほうに回る部屋のお客さんだと、「ピンポン押されてから何分経ってんだよ!」「迷ってたのかよ!」「プロじゃないのかよ!」みたいになってしまうこともあります。そこで怒られて時間がかかったり、マンションが大きすぎて棟がわからなくなったり…というとき。例えば3丁目のマンションのすぐ隣に届け先があっても、4丁目・5丁目の時間指定が迫っていると、一旦、3丁目を離れないといけません。

宮藤:いや~。これは、サービスが先に進みすぎましたね。例えば1人のドライバーさんって、1日、ざっくり何軒の荷物を届けるんですか?

横山:100軒はいかないとドライバーさんとして、ちょっと…雇用できないですね。我々は、地域ごとにある通販業者の倉庫から、個人宅に届けます。倉庫に何十台か車が入っていて、ドライバーごとにコースを持っているわけです。あなたは何丁目担当と。毎日行くエリアなので、2年・3年と走っていたら慣れるんですが、離職率も高いので、ドライバーの入れ替わりもある。すると、番地がわからなかったり、新築で同じ住所に5軒並んでることもあったり。1軒で3分ロスしたら、100軒で300分じゃないですか。中には、1軒で15分使ってしまうこともあるので。

宮藤:そうですね…。

横山:ドライバーさんは、100軒はいくよねと。150軒いくと、結構早いな。200軒いくと、神レベル!

宮藤:100軒でもすごいのに…

横山:地域によっても、配達しやすい・しにくいがあって。地形が平だとか、在宅率が高いとか。荷物を配りやすい地域ですと、歩合制で受けているドライバーさんは、月に100万円稼いでいる人もいると思います。

宮藤:それはでもやっぱり、お客さんの協力がないと無理ですね。在宅して欲しいですよね(笑)

横山:そうですね!でも、在宅は難しいので、「置き配」ができないと。

宮藤:今、置き配はどういうシステムなんですか?

横山:コロナ禍で、対面で受け取ることに抵抗がある人も増えています。ネットで頼むときに、デフォルトで「置き配」にチェックが入っているシステムにはなっていて。置く場所がない人は、チェックを外すんですけど。今までは、置き配はしちゃいけないと教育されてきましたが、正直、全部置き配だったら、ドライバーさんの負担は200軒でも、大したことはないと思います。

宮藤:続いて、IT化に関して。だいぶ進んでいるんじゃないですか?

横山:物流は、あまりイノベーションが起きていないなと思います。特に、僕らのような中小企業の管理者が、ドライバーさんの動態・勤怠管理を把握するのがかなりアナログだなと感じています。

宮藤:インターネットを使わずにやってるんですか?

横山:電話・メール・FAX。今の時代にFAX…!?と。「稼働状況をFAXで送って下さい」ということもありますね。

宮藤:高齢の方も多いんですか?

横山:多いです。

宮藤:そうすると、今更変えられないこともありますよね。

横山:その通りです。

宮藤:いずれにせよ、みなさん、時間指定をしたらちゃんと受け取るように、スムーズな配送に協力していきましょう!

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